新型ウイルス再感染の米男性、1回目より「病状悪化」=米研究チーム

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ジェイムズ・ギャラガー、保健・科学担当編集委員

新型コロナウイルスに再感染したアメリカ在住の男性が、1回目の感染よりかなり危険な状態に陥ったことが、アメリカの研究チームの報告で明らかになった。研究結果は、英医学誌ランセットに12日に掲載された。

ネヴァダ州在住の25歳の男性は新型ウイルスの感染症COVID-19を再び発症した際、肺が十分な酸素を体内に取り込めず、入院治療が必要になったという。

再感染はまれなケースで、現在は男性は回復している。

しかし、ランセットに掲載された研究は、新型ウイルスへの感染によって免疫がどれくらいつくのか、疑問を提起している。

男性には、COVID-19の影響をとりわけ受けやすいとされる既知の健康上の問題や免疫欠如はなかった。

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いつ何が起きたのか

3月25日:喉の痛みやせき、頭痛、吐き気、下痢など、初めて症状が現れる 4月18日:ウイルス検査で初めて陽性と判定される 4月27日:初期症状が完全になくなる 5月9日、26日:2回にわたりウイルス検査で陰性と判定される 5月28日:再び症状が現れる。この時は発熱、頭痛、めまい、せき、吐き気、下痢 6月5日:ウイルス検査で2度目の陽性、息切れを伴う低酸素血症の症状

科学者たちは男性について、症状が治まって潜伏感染の状態になり、その後再び症状が現れたのではなく、新型ウイルスに2度感染したとしている。1回目と2回目の症状が現れた際に採取したウイルスの遺伝子コードを比較したところ、あまりに異なるものだったという。

「私たちの研究結果は、最初の感染が必ずしもその後の再感染から身を守ってくれるわけではないかもしれないことを示している」と、米ネヴァダ大学のマーク・パンドリ博士は述べた。

「再感染の可能性は、COVID-19の免疫を理解するのに重要な意味を持っているかもしれない」

パンドリ氏は、症状が回復した人も社会的距離やマスク、手洗いといったガイドラインを守り続けるべきだとしている。

重症化の原因は不明

COVID-19を再び発症した場合、症状はより軽く済むと考えられてきた。1度目の発症時に体が新型ウイルスとの戦い方を学んでいるはずだとされていたからだ。

ネヴァダ州の患者が2回目の発症で重症化した原因はまだ分かっていない。感染時に大量の新型ウイルスにさらされたのかもしれないといった説もある。

また、最初の感染で得た免疫反応によって2度目の感染が悪化した可能性も残っている。デング熱などでこうした報告がされている。デング熱の場合、あるデングウイルス株に対してつくられた抗体が、別のウイルス株に感染した場合に問題を引き起こす。

英イーストアングリア大学のポール・ハンター教授は、1回目と2回目の感染までの期間が短く、2回目に重症化していることから、「非常に懸念される」研究結果だと述べた。

「これまでに3700万人以上が感染しているという事実を踏まえると、すぐに再感染して重病になりやすいのであれば、もっと多くの事案を耳にしていたはずだ」

「こうした発見が予防接種にとって何を意味するのか、はっきり判断するには時期尚早だ。しかし、この感染症に対する免疫反応について、我々がまだ十分な知識を得られていないことを明確にしている」

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(英語記事 Man gets Covid twice with second hit 'more severe')