「自分は不幸」と思う人が無意識に使う口ぐせとは?
4月からの新生活を機に、ポジティブになりたい、くよくよ悩みたくないと思う人は少なくないのではないでしょうか。
ここではうつ専門メンタルコーチの川本義巳さんに、メンタルが不安定な人が使いがちな口ぐせと、その直し方を教わりました。
幸せになりづらい人の口ぐせとは?
私はメンタルコーチとして、「自分の人生は不幸の連続だ」という人たちの話をたくさん聞いてきました。同時に自分のメンターや、成功者と呼ばれる人たち、そして同業のコーチたちといった「自分は幸せな人生を送っている」という人の話もたくさん聞きました。すると、この両極端な人たちのなかに、キーポイントになる「ある言葉の使い方」があることがわかりました。
それは「でも」という言葉です。
私が普段接している、メンタル的に不安定な人やうつ傾向の人たちからは「でも」という言葉がよく聞かれます。
「でも、無理です」「でも、難しいと思います」「でも、それはムダだと思います」「でも、自分にはできないと思います」
なにかにつけて「でも」という言葉がついてきます。一方でメンタル的に安定していて幸福感を感じている人からは「でも」という言葉はあまり聞かれません。
●「でも」に含まれる2つの否定
「でも」という言葉は、否定の意味合いをもっています。たとえば「もっとラクに考えたらいいよ」というアドバイスに対して「でも自分にはそれができない」と答えた場合、2つの意味の否定が組みこまれます。
ひとつは「自分にはできない」という自己否定。そしてもう一つは「そのアドバイスは必要ではない」という相手の否定です。
この2つの否定が生まれると、「自分はできないという信念の強化」「相手を否定することによる関係性の悪化」が起きます。自己否定を続けていたら、メンタルは落ちます。そして声をかけたのに「でも」と言い続けられたら、その相手はいつかは離れていきます。
「でも」という言葉自体は日常会話で頻繁に使われます。なのであまり意識をしていない人が多いのですが、使いすぎるのはよくない結果を生みます。
では「幸福感」を感じている人はどうか? 話を聞くと「でも」の数は圧倒的に少ないです。まず自己否定をあまりしませんから、「でもできない」というフレーズはほとんど聞かれません。逆に「どうしたらできるようになるだろう?」と考えます。
自分が満たされているので相手を否定することもありません。アドバイスをされてもまずは「ありがとう」とか「そうなんですね」と受け止めます。この結果、前向きに考え行動することができ、他人との関係性も良好になりますから、ますます幸福度が上がっていきます。
●「でも」は思考を停止させる
「でも」は自己否定だけでなく、思考を停止させる働きもあります。たとえば「元気になりたいです。でもなれないんです」と言ったとしましょう。この場合、「元気になりたい」という希望が「でも」を使うことで「なれない」に変わります。この瞬間、「元気になりたい」について考えなくてもよくなってしまいます。
行動だけでなく、思考も止める…これは本当に怖いと思いませんか? だって、やることを「でも」の一言でなかったことにするか、ずっと先送りしてしまうんですから。「やらない」「先送りをする」という人たちの話もたくさん聞いてきましたが、それで楽しそうにしている人はいませんでした。
私自身も振り返ってみると「でも」を多発していた時期がありました。そしてその時期は間違いなく「幸福ではなかった」と言えます。今、結構ハッピーなのですが、意識的に「でも」を言わないようにした結果だと確信しています。
「でも」を多発する人は、ほとんど無意識にそうしています。だから、これを変える必要があります。
●「でも」を「じゃあなにができる?」に言い換える
私は「『でも』を言い換える」ことをオススメしています。「でも」を言いたくなったら、「じゃあなにができる?」に言い換えるのです。
「ダイエットしたい」→「じゃあなにができる?」
「元気になりたい」→「じゃあなにができる?」
「夫婦仲をよくしたい」→「じゃあなにができる?」
こんなふうに「でも」を「じゃあなにができる?」に置き換えると、人の脳は「できること」を探しに行きます。その結果、徐々に「前向きに行動する自分」が生まれます。
前向きに行動すると、なにかしらの結果が出ます。そして、その積み重ねが自己肯定感につながります。当たり前のことですが、人は「できることしかできない」ようになっています。
「でも」の一言であきらめてしまうのはとても簡単です。でも(あえて使いますね)、その前に「なにかできることはないのか?」を考えるのは意味があることだと思います。
●教えてくれた人
【川本義巳さん】
うつ専門メンタルコーチ。高校卒業後、SEとして20年以上メーカーに勤務。大手IT企業への転職を機にうつ病を発症、寝たきり状態になり、1年2か月の休職を余儀なくされる。職場復帰後も6年間うつ病に悩まされ、さまざまな方法を試すが失敗。2007年コーチングに出合い、うつ病を完全克服。その体験をきっかけに現職に。著書に『1日3分でうつをやめる。』(扶桑社刊)がある
ここではうつ専門メンタルコーチの川本義巳さんに、メンタルが不安定な人が使いがちな口ぐせと、その直し方を教わりました。
幸せになりづらい人の口ぐせとは?
「でも」という言葉を置き換える習慣をつける
私はメンタルコーチとして、「自分の人生は不幸の連続だ」という人たちの話をたくさん聞いてきました。同時に自分のメンターや、成功者と呼ばれる人たち、そして同業のコーチたちといった「自分は幸せな人生を送っている」という人の話もたくさん聞きました。すると、この両極端な人たちのなかに、キーポイントになる「ある言葉の使い方」があることがわかりました。
私が普段接している、メンタル的に不安定な人やうつ傾向の人たちからは「でも」という言葉がよく聞かれます。
「でも、無理です」「でも、難しいと思います」「でも、それはムダだと思います」「でも、自分にはできないと思います」
なにかにつけて「でも」という言葉がついてきます。一方でメンタル的に安定していて幸福感を感じている人からは「でも」という言葉はあまり聞かれません。
●「でも」に含まれる2つの否定
「でも」という言葉は、否定の意味合いをもっています。たとえば「もっとラクに考えたらいいよ」というアドバイスに対して「でも自分にはそれができない」と答えた場合、2つの意味の否定が組みこまれます。
ひとつは「自分にはできない」という自己否定。そしてもう一つは「そのアドバイスは必要ではない」という相手の否定です。
この2つの否定が生まれると、「自分はできないという信念の強化」「相手を否定することによる関係性の悪化」が起きます。自己否定を続けていたら、メンタルは落ちます。そして声をかけたのに「でも」と言い続けられたら、その相手はいつかは離れていきます。
「でも」という言葉自体は日常会話で頻繁に使われます。なのであまり意識をしていない人が多いのですが、使いすぎるのはよくない結果を生みます。
では「幸福感」を感じている人はどうか? 話を聞くと「でも」の数は圧倒的に少ないです。まず自己否定をあまりしませんから、「でもできない」というフレーズはほとんど聞かれません。逆に「どうしたらできるようになるだろう?」と考えます。
自分が満たされているので相手を否定することもありません。アドバイスをされてもまずは「ありがとう」とか「そうなんですね」と受け止めます。この結果、前向きに考え行動することができ、他人との関係性も良好になりますから、ますます幸福度が上がっていきます。
●「でも」は思考を停止させる
「でも」は自己否定だけでなく、思考を停止させる働きもあります。たとえば「元気になりたいです。でもなれないんです」と言ったとしましょう。この場合、「元気になりたい」という希望が「でも」を使うことで「なれない」に変わります。この瞬間、「元気になりたい」について考えなくてもよくなってしまいます。
行動だけでなく、思考も止める…これは本当に怖いと思いませんか? だって、やることを「でも」の一言でなかったことにするか、ずっと先送りしてしまうんですから。「やらない」「先送りをする」という人たちの話もたくさん聞いてきましたが、それで楽しそうにしている人はいませんでした。
私自身も振り返ってみると「でも」を多発していた時期がありました。そしてその時期は間違いなく「幸福ではなかった」と言えます。今、結構ハッピーなのですが、意識的に「でも」を言わないようにした結果だと確信しています。
「でも」を多発する人は、ほとんど無意識にそうしています。だから、これを変える必要があります。
●「でも」を「じゃあなにができる?」に言い換える
私は「『でも』を言い換える」ことをオススメしています。「でも」を言いたくなったら、「じゃあなにができる?」に言い換えるのです。
「ダイエットしたい」→「じゃあなにができる?」
「元気になりたい」→「じゃあなにができる?」
「夫婦仲をよくしたい」→「じゃあなにができる?」
こんなふうに「でも」を「じゃあなにができる?」に置き換えると、人の脳は「できること」を探しに行きます。その結果、徐々に「前向きに行動する自分」が生まれます。
前向きに行動すると、なにかしらの結果が出ます。そして、その積み重ねが自己肯定感につながります。当たり前のことですが、人は「できることしかできない」ようになっています。
「でも」の一言であきらめてしまうのはとても簡単です。でも(あえて使いますね)、その前に「なにかできることはないのか?」を考えるのは意味があることだと思います。
●教えてくれた人
【川本義巳さん】
うつ専門メンタルコーチ。高校卒業後、SEとして20年以上メーカーに勤務。大手IT企業への転職を機にうつ病を発症、寝たきり状態になり、1年2か月の休職を余儀なくされる。職場復帰後も6年間うつ病に悩まされ、さまざまな方法を試すが失敗。2007年コーチングに出合い、うつ病を完全克服。その体験をきっかけに現職に。著書に『1日3分でうつをやめる。』(扶桑社刊)がある