【山口周×塩田元規×箕輪厚介】 キーワードは「ジャズ」。 時代と共に「つながり」もアップデートせよ

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著書『ハートドリブン』で「つながり」について語る塩田元規さんと、『ニュータイプの時代』で組織の新しいあり方を語る山口周さんによる特別対談。「みの編」という新しいコミュニティを創造する箕輪厚介さんも加わり、これからの働き方や組織のアップデートについて語り合った。
「つながり」というテーマから生まれたキーワードは「ジャズ」。「ジャズのようなつながり」という新しいコミュニティの概念とは?「組織の時代」から「個の時代」へ言われる現代。人と人との「新しいつながり」について、時代のトップランナーの3人はどんな考えを持っているのか?(構成:イイダテツヤ、撮影:竹井俊晴)

第1回:https://diamond.jp/articles/-/226664
第2回:https://diamond.jp/articles/-/226667

山口:塩田さんが『ハートドリブン』のなかで「バーニングマン」(アメリカ北西部の荒野で年に1度開催される大規模イベント)の話を書かれているんですけど、あれ、すごくいいなと思っていたんです。

塩田:本当ですか! 嬉しいです。

山口:そもそも「バーニングマン」って、お金のやりとりが禁止されていて、必ず「何かのコミュニティに貢献してください」という「贈与とお返し」で成り立っているじゃないですか。

箕輪:そうですよね。

山口:本来「お金」「ファイナンス」の「ファイ」って「ファイナル」の「ファイ」と同じなんですよ。つまり「終わりにする」という意味なんです。

塩田:へー、そうなんですね。

山口:たとえば、箕輪さんが僕に何かをしてくれて「何かを返してあげたい」と思っても返すものがないから、お金を払ってそれで終わりにしちゃう。それがファイナンス。「これで人間関係をチャラにする」ということなんですよ。

箕輪:それが一番ラクですもんね。「もう払ったじゃん」って。

山口:塩田さんの「バーニングマン」のところを読んだとき、そんな「人と人とのつながり」のことを思って「日本でもバーニングマンをやりたいな」とすごく思ったんですよ。

塩田:いいですね。やりたいですよ。やりましょうよ!

自分一人の「意味」から、みんなで共有できる「意味」へ

塩田:今の時代って不確実性は高いし、いろんな選択肢があるから、ともすれば「自分の人生を、なんとか自分一人で切り開かなきゃ」みたいなところがあると思うんです。フリーランスになる人も増えて「どこにも所属しないで生きていく」という形も増えている。

でも、そういう友だちを見ていると、最初は一人を楽しんでいるんですけど、やっぱりどこかで、もう一度「つながり」を求めるようになるんです。「それって何なのかな」と考えていたんですけど、結局人間って「自分を幸せにするためだけに生きていく」というのは無理なんじゃないかと思うようになったんです。

周さんが『ニュータイプの時代』で書いている「役に立つより、意味がある」の「意味」というのも、自分一人の意味じゃなくて「みんなにとって意味がある」ということに、どんどんなっていくのかなって。「自分以外の人も幸せになる」というときの方が、圧倒的に幸福度は高いですよね。

箕輪:ときには人に頼ったりね。

塩田:そうそう。もともと日本には「和」というつながりがあったんだけど、それがだんだんと「息苦しいもの」になってしまった。「相手に合わせるつながり」になってしまったというか。そういうのって苦しいじゃないですか。

だから、その揺り戻しで「わがままに生きよう」「自分らしいって大事だよね」という時代になってきている。でも、それって別に「つながりを捨てること」ではないですよね。

要するに「つながりの形」もアップデートしてきて、自分が幸せであることが、他の人の幸せにもつながるし、自分が幸せなぶん、もっと人を応援できる。そういう「新しいつながり」というものを、日本はもっともっと実現できると思うんですよね。

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