らぁめん 蔵持の「らぁめん」(730円)

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2019年7月13日発売の「ミシュランガイド福岡・佐賀・長崎 2019 特別版」に掲載された、福岡のラーメン店をセレクトしてご紹介。いずれも地元福岡では揺るぎない名店だが、これを機会に世界に認められた至極の一杯をぜひ一度堪能してほしい。

【写真を見る】中華そば ふくちゃん / 中華そば(650円、半熟煮卵のせ+100円)

■ らぁめん 蔵持

今、福岡の豚骨ラーメンの牙城を崩さんとする筆頭株に挙がるのが、中華そば。なかでも、最も勢いのある一軒が「らぁめん 蔵持(くらもち)」(福岡市中央区白金)。元ホテルマンの店主・泉さんが東京在住時、名店「満来」の味に感銘を受け、一念発起。同店創業者より味を受け継ぎ、16年4月に醤油ラーメン専門店として白金に開業した。

一般的な博多ラーメンは100〜120gの麺の量に対し、蔵持の「らぁめん」は240gとボリュームも申し分ない。脂身の少ない豚肩ロースをスープで煮込み、醤油ダレに漬け込んだ分厚いチャーシューものる。雑味、えぐ味のない澄んだスープを作るため、材料の鶏は頭、手足を除いた胴ガラのみ。関東醤油で優しい塩気とキレを加えたシンプルな一杯だ。

[らぁめん 蔵持]福岡県福岡市中央区白金1-10-5 / 092-791-4221 / 11:00〜15:00(LO 14:45)、 17:00〜23:00(LO 22:45) / 水曜休(祝日の場合は翌日)

■ 麺道 はなもこし

"鶏白湯"の名店が手がける、「濃厚鶏つけそば」は、とことんこだわり抜く自家製麺も注目ポイント。ライ麦など4種を独自にブレンドすることで風味が段違いによくなる。沖縄産の塩や醤油ベースのかえし、鶏ガラを使うつけ汁の3種が用意され、それぞれで違った味わいを楽しめる。麺の特徴を最大限に生かした絶品メニューを堪能しよう。

濃厚鶏つけそば(1,000円)は、麺量は通常で200g、たっぷり味わえる大盛り(300g1,200円)も用意する。チャーシューは、国産若鶏を低温調理でしっとり仕上げる。夜のみの提供で杯数限定なので要注意!

[麺道 はなもこし]福岡市中央区薬院2-4-35 / 092-716-0661 / 11:45〜13:30、19:00〜20:30※昼・夜共に売切れ次第終了 / 木曜夜、日曜休み

■ 中華そば ふくちゃん

2018年2月、福岡市・清川の裏通りにオープンした「中華そば ふくちゃん」(福岡市中央区清川)。店主の福田秀雄さん(愛称:ふくちゃん)が、かつて薬院六つ角にあった伯父の店「中華そば 信兵衛」(2000年に閉店)の一杯を復活させた。

動物系×魚介ダシを別鍋で取り、提供直前に合わせるWスープが身上。化学調味料は使用せず“天然ダシのあと引く旨味”“を重視。動物系と魚介ダシそれぞれが主張しすぎず絶妙に馴染む割合でブレンドする。

麺は春吉の老舗製麺所「張源洋行」の中細縮れ麺を使い、柔らかい穂先メンマ、注文後にスライスする豚肩ロースチャーシューなど具材にもこだわり抜く。ラーメンは、中華そば(薄口醤油ベース)、支那そば(濃口醤油ベース)の2種。上品繊細な味の違いを楽しんでほしい。

[中華そば ふくちゃん]福岡県福岡市中央区清川2-1-34 / 092-775-9025 / 12:00〜15:00(LO14:30)、20:00〜27:00(LO26:30)※昼・夜共に売切れ次第終了 / 日曜夜、月曜休

■ 中華そば かなで

福岡県・春日市にある「かなで食堂」のセカンドブランドとしてオープン。本店は“濃厚”豚骨だが、「中華そば かなで」(福岡市博多区東比恵)は、中華そばや塩そばで勝負する。

中華そばのポイントとなるのは、奥出雲・井上醤油店の井上古式じょうゆ。「火を入れていない生醤油の香りがお客さんの目の前で花開くように」と話す店主の松尾さんは、丼に張る醤油の他、仕上げにこの生醤油を後がけすることで、より香りの立つ一杯に仕上げている。

定番の「中華そば」(650円)は、煮干し、サバ、カツオ節など乾物を使った醤油ダレが、鶏ガラスープの旨味を増幅。低温調理のレアチャーシューがのる。また、全粒粉の自家製麺や低温調理のレアチャーシューをいち早く取り入れて、ローストマトを入れた「塩そば」(670円)など、新味を続々と開発。毎週木曜のみ「鶏白湯そばまつ尾」として営業する“二毛作ラーメン”(11:00〜16:00、売切れ次第終了)スタイルもユニークだ。

[中華そば かなで]福岡県福岡市博多区東比恵2-8-23 / 092-441-1886 / 11:00〜22:30(LO22:00)、火曜は「鶏白湯まつ尾」として〜16:00営業 / 無休(九州ウォーカー・田崎紀之)