インテル時代のサモラーノ氏【写真:Getty Images】

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名ストライカーのイバン・サモラーノ氏がインテル時代に背負った「1+8」番

 チリの英雄イバン・サモラーノ氏といえば、ストライカーのエースナンバーである「9」にこだわりを持っていたことで知られ、インテル時代には他に例を見ない「1+8」の背番号を背負ったことでも知られる。

 その誕生の舞台裏について、英紙「ガーディアン」で語った。

 サモラーノ氏はチリ代表としても活躍し、1990年代から2000年代にかけて世界屈指の点取り屋として名を馳せた。レアル・マドリードからインテルへとビッグクラブをわたり歩いたことでも知られる。

 中でも有名なエピソードは、インテル時代の1998-99シーズンに背負った特殊な背番号だろう。サモラーノ氏はインテルで9番を背負っていたが、元イタリア代表FWロベルト・バッジョがチームに加入すると、バッジョが「10」、それまで「10」を付けていた元ブラジル代表FWロナウドが「9」へと変更。そしてサモラーノ氏の番号は「18」に変わった。サモラーノ氏はロナウドを「世界最高」のFWだと認めたからこそ、番号を譲ったのだという。

 しかし、エースストライカーの代名詞である「9」に強いこだわりを持っていたサモラーノ氏はその数字の間に「+(プラスマーク)」を加え、足して「9」という特殊な背番号を編み出したのだった。

 サモラーノ氏は当時の背番号問題についてこう語っている。

「スポーツディレクターのサンドロ・マッツォーラは足して9になる番号を選べばいいと私に言った。なので私は『プラスのマークを足すことはできるか?』と言ったが、彼はできないと言った。『なぜだ? 許可をとってくれ』。私がマッシモ・モラッティ会長にそう言うと、彼はイタリアサッカー連盟に掛け合ってくれた。だから私は18、1+8を付けてプレーし、ナンバー9を失わずに済んだんだ」

 一度は却下されたものの、サモラーノ氏の強すぎるこだわりが、今や伝説となった背番号を生み出すきっかけとなっていた。(Football ZONE web編集部)