高瀬花園の管理職ワンコ”ぺこちゃん”(画像提供:高瀬花園 @takase_farm)

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 福岡県で切り花栽培をしている高瀬花園では、「何もしない」という激務をこなす(?)管理職がいるという。それは、花を入れる収納容器に入り、カットされた花に埋もれて気持ちよさそうに寝ている犬のぺこちゃん。その姿が園で働く人々の心を癒し、ひいては職場の士気をも高めているそう。ぺこちゃんの様子をTwitterで伝えている、高瀬花園の職員さんに、ぺこちゃんと過ごす日常について聞いた。

【写真】「今日もお仕事頑張ろう」職員はげます管理職ワンコぺこちゃんの定位置

■子犬の破壊力、おそるべし…「出社1日目から課長になった」

 高瀬花園のツイートには「仕事場に管理職の犬がいます。何もしないという激務をこなし我々部下は撫でたり吸わせてもらう事で体内のオキシトシンが分泌され疲労回復し、仕事がはかどります。犬を上司にお持ちの方ならご理解頂けるかと思います」とのコメントともに、ぺこちゃんの愛らしい姿が。投稿を見たユーザーからは「笑顔がサイコーの上司ですね」「私も癒されました」「羨ましい。職場の雰囲気ステキずぎる」などと反響があがり、親しまれている。

――ぺこちゃんとの出会いのエピソードをお聞かせください。なぜ高瀬花園で飼われるようになったのでしょうか?

【職員さん】近所で子犬が生まれて見に行ったのがきっかけです。先代の犬を病気でなくしてから、もうしばらくは犬を飼うのはやめようと家族で話していたのですが、無理でした(笑)。子犬の破壊力、おそるべしです。

――ぺこちゃんが管理職になったきっかけをお聞かせください。

【職員さん】作業場にいつも一緒に連れていくのですが、われわれが仕事をしていると、葉っぱの上にドスンと座って見張るようになり、さらに葉っぱをかけるよう促すようになったのがきっかけです。出社1日目から課長になりました(笑)。

――ぺこさんの様子をSNSにアップするようになった理由は?

【職員さん】最初は農作業の記録のついで、という感じでした。フォロワーさんがワンちゃんの様子をアップしているのを見て、それを真似しました。

――「ぺこちゃんがいることで、仕事がはかどる」という職員さんの声もあるそうですが、実際に皆さんはぺこちゃんのどんな部分に癒されていますか?

【職員さん】われわれがどんなに忙しくしていても変わらず平和に眠りこけているところですかね。「ああ、今日も健康に過ごしてるな」と安堵して癒されますね。

――ツイートにはたくさんのコメントがついていますが、反響を受けていかがでしたか?

【職員さん】われわれにとっては日常のことなのですが、実際みなさんにこんなに共感していただいて、うれしくもあり驚いています。また全国に多数の犬猫管理職の皆さんがおられることもわかり、心強い思いです。

■作業効率は度外視「上司には逆らえないので、ついつい葉っぱをかけてしまう」

 高瀬花園さんの投稿でもっとも破壊力抜群なのは、廃棄物の葉っぱに埋もれて気持ちよさそうにしているぺこちゃんの画像。職員さんに葉っぱをかけられても動じないというが、いったいどうしたらそのような状況になるのか?

――ぺこちゃんのお気に入りの場所は? 

【職員さん】お気に入りの場所は、今回のツイートの写真にある黒い箱です。この廃棄物に埋もれてしまう理由は、葉っぱを取る作業中に箱の中に入り、葉っぱをかけると気持ち良さそうにするので、そのままにしてしまうからです。

――職員さんの作業が進まなくなってしまうことがあるのでは? そのときは、どうされているのでしょうか?

【職員さん】そのままにしています。上司には逆らえないので、われわれは言いなりです(笑)。

――ぺこちゃんに今後期待することはありますか?

【職員さん】引き続き、何もしないで健康であれば、何も望むことはありません。かわいがっている動物がいる方にはご理解いただけると思うのですが、われわれにとってぺこは、かけがえのない存在です。

――今後SNSでは、どのようなことを伝えていきたいですか?

【職員さん】今後もぺこの日常と人生には役立たないけど、少しニヤッとできるくだらないことをつぶやいていきたいと思っています。

(文:水野幸則)