三菱eKクロス(画像: 三菱自動車工業の発表資料より)

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 日産自動車三菱自動車は14日、共同開発した軽自動車を全面改良し、28日に発売することを発表、三菱自の水島製作所で発売に向けた式典を開催した。また両車ともに、先行サイトをオープンし予約受注の開始も発表している。ゴーン体制崩壊後初の新型車の登場として、メディアの扱いも大きく注目されるモデルとなった。

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■久しぶりの新型車となる日産

 日産は「デイズ」、三菱自は「eKワゴン」として販売する。特に日産は1年半ぶりに国内市場に投入する新型車となり、普通車を上回る人気車種の「デイズ」が新型になったことで、国内販売のてこ入れにつなげたい考えだ。

 「デイズ」は、従来どおり標準車と上級モデルのハイウェイスターの2つが設定されるが、「eKワゴン」はかなり印象が変わっている。今回、開発の主体は日産側らしいが、三菱らしさはかなりデザインに反映されている。さらに運転支援システムのプロパイロットの設定も注目されている。

■新設定された「eKクロス」に大注目!

 特に、これまで「デイズ」と同じように上級車種として設定していた「カスタム」に代わり、SUVテイストの「eKクロス」を設定。縦型4段のヘッドライトと、その上に配置されたデイタイムライト、そしてハニカムグリルとなり、先ごろフェイスチェンジしたミニバンの「デリカD5」を彷彿とさせる迫力満点の「デカ顔」となった。

 軽自動車といえば標準車に加えてスポーティーな「カスタム」をラインナップするのが定番で売れ筋だが、「eKワゴン」はあえてSUVを選んだ。軽自動車でのライバルメーカーは、人気のSUVモデルを別車種として設定しているが、三菱自動車ではモデル数を増やさず、主力の「eKワゴン」の拡販を牽引するモデルとしてeKシリーズに加えた。

 この方法は今後、他社にも波及する可能性がある。さすがに「カスタム」はどのメーカーも似たり寄ったりで個性が出せていない。その点SUVタイプは自由度が高く、かわいらしいスズキのハスラーもあれば、今回の「eKクロス」のような大迫力フェイスも可能だ。

■気になる燃費

 もっとも気になるのは eKワゴン/デイズともに発表されていない燃費。現行モデルでは燃費改ざんという「汚点」を残した両車だけに、今回はどのような燃費になるのかとともに、どのようにユーザーに信用してもらうかが最大の問題となる。軽初のプロパイロットに加え、燃費で先行するスズキの「ワゴンR」を上回る燃費性能を備えるとしたら、三菱はもとより、販売力のある日産「デイズ」が軽自動車の勢力図を変えるかも知れない。