HUAWEI nova3はハイエンドを凌駕するミドルクラス! AI専用プロセッサーがスマホカメラを超える

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2018年10月発売ファーウェイのSIMフリースマートフォン「HUAWEI nova3」は、今年の中でもハイスペックでコストパフォーマンスが高い、お買い得なモデルの筆頭だ。

ファーウェイのスマートフォンには、
・ハイスペックでデザイン性に優れたフラグシップモデル「P」シリーズ
・ビジネスパーソンをターゲットにしたフラグシップモデル「Mate」シリーズ
・コストパフォーマンスに優れた「nova」シリーズ
・若者をターゲットにMVNO展開を中心にした「honor」ブランドのシリーズ
これらがある。

さらに、シリーズラインナップには高価なハイエンドモデルだけでなく、「lite」モデルも廉価版としてラインナップしており、全方位をカバーしたブランディングによる販売方法で成功している。

nova3の市場想定価格は5万4800円(税抜)。
ミドルレンジでもハイクラスの価格帯だ。

しかしnova3の実際のスペックは、ミドルレンジ以上となる。




nova3は、
・CPUにNTTドコモ2018年夏モデルのハイエンドモデル「HUAWEI P20 Pro」と同じ「Kirin 970」を搭載する。
・RAMは4GB、内蔵ストレージは128GB
・バッテリーは大容量3750mAh
さらに画面サイズは約6.3インチFHD+(1080×2340ドット)の大画面。
スペック的にはハイエンドクラスのスマートフォンと遜色がないのだ。

なお、nova3に搭載されているハイエンドのCPU(チップセット内蔵)であるKirin 970は、現在最新スマートフォン「HUAWEI Mate 20 Pro」に搭載されている「Kirin 980」に世代が変わっている。
新しいチップセットは、低消費電力とパフォーマンスそしてNPU(Neural-network Processing Unit:人工知能専用プロセッサー)の性能が向上しているが、Kirin 970でもパフォーマンスは十分高い。

とはいえ、Kirinシリーズには、
・「HUAWEI Mate 20 lite」に搭載する「Kirin 710」
・「HUAWEI P20 lite」に搭載する「Kirin 659」
など、ミドルレンジのスマートフォンに搭載されているチップセットもある。

しかしそれらミドルレンジ用を搭載せずに、ハイエンドモデルで採用する「Kirin 970」をあえて搭載したところが、nova3の最大の魅力となっている。

この「Kirin 970」は、
NPUを利用した機械学習によるAI機能が特徴で、nova3でもそれは活かされている。
※NPU:ニューラルネットワークが組み込まれた人工知能専用のプロセッサー。

nova3は、ハイエンドモデルに匹敵するスペックを誇るが、機能や性能で尖った特徴を持つフラグシップスマートフォンとは少々立ち位置が異なるモデルなのである。




その一つが、カメラだ。
背面にダブルレンズカメラ、前面にもダブルレンズカメラを搭載。
この4つのカメラを搭載することで、通常の撮影だけでなく、セルフィーも高画質で多機能であることをアピールする。

さらに「Kirin 970」による
・AIカメラ
・AIセルフィー
これらがnove3の個性を際立たせる。

AIカメラは、
シーンを認識して最適な露出や色を写真に反映する。




AIセルフィーは、
美肌効果など被写体に対する機能だけではなく、背景や撮影シーンに合わせて人物も背景も綺麗に撮れるよう調整する。逆光補正は今や当たり前だが、人物も背景も綺麗に撮影できる新時代のセルフィー撮影機能なのである。

上位モデルのPシリーズやMateシリーズは、ライカとの協業で光学設計を含むライカ画質を特徴としている。これがスマートフォンでありながら、カメラ機能が写真愛好家にも評価されているポイントである。

一方、nova3はライカ画質ではない。
カメラの画質は、ファーウェイ独自のチューニング、いわばファーウェイブランドである。




AIによる補正は、色鮮やかで明るく元気な仕上がりとなることが多い。
シーンによっては「盛りすぎでは?」と思うこともある。
しかしAIによるシーン認識により、
「難しい光源での撮影シーンでも失敗しない」
という究極のカメラづくりにチャレンジしたスマートフォンであると感じる。

ライカ画質は、長い間人々を魅了してきた色再現や温もりといった独特の感性を今に伝える技術体系といってもよいだろう。
だからこそ「ライカ画質」の基準から外れることは許されない。

現在のスマートフォンカメラは、AIによるシーン認識と撮影設定の最適化をはじめ様々な機能が使えるようになった。それにともない、既存のカメラ技術や文化に縛られない新たな可能性が見えはじめている。

いまスマートフォンのカメラには、こうした
・ライカをはじめとした伝統的な「画質」
・AIなどを利用した新世代の「画質」
この2つのムーブメントがおこっているのだ。

P20 Proや最新モデルのMate 20 Proでも、
実際、多くの補正機能が働く前面のカメラにはライカの名前が入っていない。セルフィーに関しては、ユーザーの好みに合わせて補正幅を広く取ったファーウェイ画質としているのである。

ここに、ライカ画質とAIによる自由な補正の方向性の違いが見えたような気がするのだ。




nova3の背面のカメラは、AIの補正技術を最大に引き出すためのチューニングが施されており、時にはライカ画質を上回る印象的な写真に仕上がることも多い。

画作りの方向性はシンプルだ。明るさやコントラスト、彩度のバランスが万人受けする印象的な色になるようチューニングされ、ヌケの良い透明感のある写真に仕上げている。

これはnova3がターゲットとする層に合わせたものだと思うが、「AI」というキーワードと前面・背面のダブルレンズカメラという期待値を裏切らないファーウェイ画質である。




AIによる補正が気に入らない場合は、あとからAI補正をオフにすることもできるのも安心して写真撮影ができるポイントだ。

このように、フラグシップモデル級の性能を持つnova3は、そのパフォーマンスを独自進化したカメラに活かすことで、究極のファーウェイスマートフォンに仕上げている。
まさに価格以上の満足度を実現したお買い得なモデルであると感じた。


執筆  mi2_303