羽生結弦【写真:Getty Images】

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羽生はいかに成長を続けるのか? カナダの放送局が特集

 フィギュアスケートのオータムクラシックは五輪連覇の王者・羽生結弦(ANA)が合計263.65点で今季初戦を優勝で飾った。ショートプログラム(SP)ではジョニー・ウィアー氏が使用していた「秋によせて」を、フリーでは憧れのエフゲニー・プルシェンコ氏が演じたナンバー「ニジンスキーに捧ぐ」をアレンジした「Origin」の新プログラムを優雅に舞い、新シーズンで好スタートを切った。振付を務めるシェイ=リーン・ボーン氏は「ユヅルは男子フィギュアのレベルを引き上げ続けてる」と称賛を送っている。

 先輩スケーターが用いた楽曲で、新プログラムを披露。“ニュー・ユヅ”というべき姿を披露し、新たな挑戦をスタートさせた絶対王者。平昌五輪以来の復帰戦を優勝という結果で飾った羽生を、開催地のカナダ放送局「CBCスポーツ」は「ユヅル・ハニュウの進化:いかに歴代屈指の彼は成長を続けているのか」と題して特集している。

 記事ではまず、今大会にはファンが羽生の新プログラム目当てに集まっていたことを紹介。新プログラムで使用した楽曲について、「面白いことに進化を続けるハニュウは、彼自身より前の世代からの要素を盛り込むことにした」と着目している。

「ハニュウの先日のSPは美しいものであったが、本人の感覚でも決して完璧というものではなかった。彼のスケーティングには我々にリスペクトの気持ちや細心の注意を払わせる何かが宿っている。おしゃべりやツイッターもせず、ただ魅せられたように彼の滑りに注目してしまうのだ」

 こうつづり、羽生のもつ独特かつ圧倒的な魅力を紹介。さらには振付を務めるボーン氏のコメントも伝えている。

ボーン氏「彼のスケートから何か違うものを観客に見てもらいたい」

「ユヅルは男子フィギュアのレベルを引き上げ続けている。彼は注目やエネルギーをいい形でこの競技にもたらしているの」と話しており、さらにはフリーの振り付けに関して音楽だけでなく、日本の古事記も要素として参考にしているというエピソードにも言及。

 そして「私は観客に『変化』を感じて欲しいの。彼のスケートから何か違うものを観客に見てもらいたいし、スケーターとしてのスキルも見てもらいたい。彼には美しい音楽性があるの」と語っている。

記事では「羽生の演技構成点はこの大会で誰よりも高いものであった。これこそ伝説的スケーター、伝説的プログラムが生まれるカギなのだ」と締めくくっている。

 チームオーサーとしてさらに上を目指すあくなき挑戦の心。それこそが、羽生が放つ見るものを魅了する魅力の一つなのだろう。(THE ANSWER編集部)