30日、都内のホテルで記者会見する楽天の三木谷浩史社長。後方は國重副社長。(撮影:吉川忠行)

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楽天<4755>の三木谷浩史社長は30日夕、東京都港区の高輪プリンスホテルで記者会見し、TBS<9401>との協議開始について「実りある業務提携関係を実現したい。楽天グループを挙げて真摯(しんし)な協議を行いたい」と話した。その上で、「TBS株式を取得したことについて、失敗したという意識はない」と淡々と述べた。

 楽天は10月13日までに、TBS株15%超を約880億円で取得し、TBSに共同持ち株会社を設立して経営統合する提案をしたと発表。同26日には、約230億円で同株を買い増し、保有比率を19%超まで伸ばした。TBSは、同提案を拒否する回答をまとめ、今月末までに楽天に提出する構えを見せていた。しかし、30日になって、楽天が経営統合提案をいったん撤回、保有するTBS株式を金融機関に信託する方針を示したことから、両社のトップが覚え書きを交わし、約50日に及んだ両社の攻防戦は、協議開始で「一時停戦」という形になった。

 楽天の記者会見は、1時間前に始まったTBSの会見場(新高輪プリンスホテ ル)の隣の棟で行われた。冒頭で三木谷社長は、仲介役を果たしたみずほコーポレート銀行と、西川善文・三井住友銀行前頭取に謝意を示した。【了】

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