外環道の千葉区間開通とあわせて、外環道と京葉道路を接続する「京葉JCT」も開通しますが、その場所は京葉道路で無料通行できる区間内にあります。クルマの流れや料金はどうなるのでしょうか。

周辺地域の発展で、料金所設置が困難に

 有料道路の京葉道路は東京都江戸川区と千葉市中央区を結んでいますが、そのうち篠崎IC〜市川IC間では上下線とも料金所がなく、無料で通行できるようになっています。


京葉道路の「無料区間」内にある幕張IC。上下線ともに料金所が設置されていない(画像:photolibrary)。

 2018年6月2日に外環道の三郷南IC(埼玉県三郷市)〜高谷JCT(千葉県市川市)間が開通するにあたり、「無料区間」である篠崎IC〜市川IC間に外環道と接続する「京葉JCT」が新設され、あわせて市川ICも「京葉市川IC」に改称される予定です。外環道は全線が有料ですが、クルマの行き来や料金はどのようになるのでしょうか。そもそも、なぜ京葉道路には途中に「無料区間」が存在しているのでしょうか。

 京葉道路は篠崎IC〜市川IC間以外に、花輪IC〜幕張IC〜武石IC間にも「無料区間」があります。武石ICからの上り方面はいずれのICも料金所がなく無料で通行できますが、下り方面は花輪ICの入口のみ料金所があり、同ICから幕張ICまでが有料、幕張ICから武石ICが無料となっています。こうした複雑な「無料区間」が存在している理由についてNEXCO東日本に聞いたところ、これらの区間は無料で開放しているのではなく、「やむを得ず料金を徴収していない」というのです。

「京葉道路は1960年代に整備、延伸が進んだ歴史の古い有料道路ですが、開通後に道路の周辺地域が急速に発展し、交通量も急増しました。そこで出入口を作って対応しますが、料金所の設置が構造上難しい場所や、料金所を設置すると本線や一般道に渋滞を引き起こす懸念のある場所が出てきました。そこで、やむを得ずいくつかの出入口で料金所を設置しなかったため、無料で通行できる区間が存在しています」(NEXCO東日本関東支社 広報部)

 ちなみに、「無料区間」で料金所がない出入口にもETCアンテナは設置され、ETC車の出入りの確認が行われています。

外環道と接続しても「無料区間」は変わらず

 一方、外環道と京葉道路を接続する「京葉JCT」が市川ICのすぐ西側に設置され、工事が進んでいます。ここから外環道との行き来が可能になりますが、この場所は篠崎IC〜市川IC間の「無料区間」にあります。通行の流れや外環道の料金徴収についてはどうなるのでしょうか。

「6月2日の供用開始時点で、外環道の三郷南JCT方面と京葉道の東京方面と千葉方面は相互に行き来が可能ですが、外環道の高谷JCT方面と京葉道路の千葉方面の連絡路は上下とも建設中のため通行できません。また、外環道から京葉道路に流入した場合、すぐ隣の京葉市川ICからは一般道に出られませんので注意が必要です」(NEXCO東日本関東支社 広報部)

 また、外環道の通行料金については「外環道側で料金を徴収する形になりますので、京葉道路で無料通行できる区間については、京葉JCTの開通後もそのまま無料で通行できます」と話しています。


外環道の工事に伴い、京葉道路市川IC付近に設置された工事用仮橋(2016年12月30日、佐藤勝撮影)。

京葉道路の「無料区間」に今後料金所が設置される可能性があるかどうかについても聞きましたが、NEXCO東日本の担当者は「料金所を設置することは現時点では計画しておりません」と話しています。篠崎IC〜市川IC間は川で隔てられている東京都江戸川区と千葉県市川市の間を移動する手段としても利用されていますが、当面はこうした状態が続くことになるでしょう。

【図】京葉道路と外環道をつなぐ、京葉JCTの概要図


外環道と接続する京葉JCTの概要図。同JCTは京葉道路の篠崎IC〜市川IC間に設置される(画像:NEXCO東日本)。