東京の声とシンクロするTOKYO FMの番組「シンクロのシティ」。ボイス収集隊が東京の街に繰り出し、さまざまな人々に声をかけ、ひとつのテーマについてその人の意見や思いを聞き出します。その声を聴き、リスナーと共に考えるのはパーソナリティの堀内貴之。12月11日(月)のテーマは「キザな人、まわりにいますか?」でした。

現代ではあまりいい意味で使われることの少ない「キザ」。辞書で調べても「服装・言動・態度が気取っていて反感・不快感を与えること」とあります。でも、キザってそんなに悪いこと? 街の人に、まわりにいるキザな人について聞いてみました。

(TOKYO FM「シンクロのシティ」2017年12月11日(月)放送より)



キザな人、まわりにいますか?

【神楽坂で出会った30代の女性2人組】

――お2人が思うキザな人のイメージは?

Aさん:有名人でいうと、三浦カズ(三浦知良)ですかね! 自分に自信があってアピールが上手い方。嫌味にならない人がキザで、つき抜けている感じですね。

Bさん:「ちびまる子ちゃん」に出てくる“花輪クン”みたいなイメージ(笑)。女性に優しいイメージで、レディーファーストとかが身に付いていて、日本人にはあまり似合わないかも。悪いイメージはないですけど、そこにナルシストが加わっちゃうと避けたい感じ(笑)。自分に酔っているキザにはちょっと抵抗がありますね(笑)。

【六本木で出会った21歳の男性】

僕、大学生なんですけど、キザな人はキャンパスにいますね。まさしく見た目がキザな感じで、長いストールを巻いていたり長いカシミアのコートを着ていて、立ち振る舞いがいかにもという感じの人がいますね。女性に対する手の運び方も、指ではなく、手のひらを上に向けてやってあげてたり。

――同性から見たらどう映ってますか?

下手したら「かっこつけ」だけど、基本的には「ああ、かっこいいな」っていうイメージはありますよね。異性に優しくて、意識をせずに「今日、可愛いね」とか言える感じ。かっこつけずに、自然とそういう身振りや手振りができる人が、キザだな〜と思いますね。僕は、ほど遠いですね〜。

【新宿で出会った36歳の女性】

キザな人、いました! 昔、一緒に買い物に行った後、ホテルで食事をしていたときに「買ってきたものに着替えてほしい」と言われて、用意してくれていたホテルの部屋に入ると、ベッドの上にバラの花びらでハートがかたどられていて、バスルームの湯船がバラの花びらでいっぱいになっていて。そういうことをしている自分が好き、みたいなタイプ。財力もあるから、それを駆使してやるみたいな。

――その人は普段からキザっぽいんですか?

たとえば、その人と電話で話しているときも「ちょっと空を見てみて」って言うような。「今日は星が綺麗だね」って私が言ったら、「今、同じ星を見てるかもよ」みたいな。若いときには経験できないようなことをさせてもらえたかな。

【神楽坂のイタリア食材店『ドルチェ・ヴィータ』オーナー】

僕のまわりだとイタリアの人になっちゃうけど、イタリアの人っていうのはすごく自分を持っていて良い意味でマイペースだから、ライフスタイルの面でいうとキザなんじゃないかな! 自己 PR してくるし、そういう面ではキザだよね(笑)。美味しいレストランがあるって言われて、山の中に連れて行かれて、そのレストランからはすごい夜景が広がっていて、「実はコレを見せたかったんだよ」って言われたら、女の子はメロメロになっちゃうよね。

日本人の男の子はシャイだし、キザってやっぱり自己主張だから、自分から行く!みたいなところがないといけないしね。男子諸君に言いたいのは、絶対に女性にお金を払わせちゃダメ! キザかもしれないけど、基本中の基本だね(笑)。あとは、段差があるところでは必ず下から手を差し伸べる。とにかく最初から最後まで、お姫様になったようなシチュエーションを作ってあげる! これが男子としては重要かなって思うけど。

【六本木で出会った42歳の男性】

――テンガロンハットにサングラス、シルバーのネックレスに黒のパンツ、赤のウエスタンブーツがかっこいいですね! そして、ファーのコート中は?

バラのシャツを2枚ですね。僕は、赤、黒、シルバーしかだいたい身に着けないので。バラってトゲの印象だったりとか、僕はそれが好きなんですよね。ただ綺麗なだけじゃなくてね、毒のある色気というのに憧れますからね。

――普段はどんなお仕事をされてるんですか?

本業は舞台の作家、演出家。たまに俳優としても出ています。

――キザな人ってどんな人だと思いますか?

キザっていうと、マイナスなイメージになりがちですけど、信念があって自分のやりたいことに対してまっすぐ貫いてる人みたいなのは、かっこいいと思いますね。あと、まわりに媚びない人はかっこいいと思います。僕は40を過ぎていますが、この歳で俳優や演出家なんて仕事は、世の中に何の役にも立っていない。人生を棒に振るような仕事ですよ。ただ、そういう人たちには“人生、どうせ棒に振るなら、フルスイングしなさい”って言ってます。ハーフスイングじゃ記録に残っても、記憶に残らない。フルスイングすることで、当たれば飛ぶよ!って。

おそらく日本の学生さんなんかは人と同じことができなきゃいけない、人と同じじゃなきゃいけないということを刷り込まれている人が多いと思うんですけど、社会に出ると、人と同じじゃないことに価値があるじゃないですか。人と同じじゃないということが大事かなと、僕は思いますね。

【「キザ」は人生の演出! 人と同じじゃ楽しくない】

堀内貴之は「今年の流行語が『忖度』となりましたけど、僕は、それ、どんな世の中だよって思いました。くだらないなと思った。ハーフスイングならフルスイング。ほんと、そう思う。まわりの人にどう思われるかなんてどうでもいいから、本当に伝えたい人に伝えたい言葉を伝えることが大事なんじゃないですか」とコメント。空気を読み、恥をかかないことが優先されるようになった今の時代。キザな人たちのエピソードは聴いた人たちの心を揺さぶりました。

<番組概要>

番組名:シンクロのシティ

放送日時:毎週月〜木曜15:00〜16:50

パーソナリティ:堀内貴之、MIO

番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/city/