19歳にして攻撃の中心を担うプリシッチ。自慢の打開力を存分に発揮している。(C)Getty Images

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 ロシア・ワールドカップの北中米・カリブ海予選で、自動出場圏外の4位に沈んでいたアメリカ。初出場に向けて意気上がる3位パナマと大一番(10月6日)で、出色のパフォーマンスを披露したのが、19歳のMFクリスティアン・プリシッチ(ドルトムント)だ。
 
 4-3-1-2のトップ下で先発出場すると、いきなり違いを見せる。開始8分、FWジョジー・アルティドールの落としに反応し、ワントラップで裏に抜け出ると、スピードに乗ったドリブルで独走。最後はGKをかわして冷静にネットを揺らした。
 
 その11分後、今度はアシスト役に回る。左サイドでDFを振り切ると、DFラインとGKの間に絶妙のクロスを送り、アルティドールの追加点をお膳立てした。
 
 序盤の2ゴールで勢いに乗ったアメリカは、43分にアルティドールのPK、63分にFWボビー・ウッドの豪快なシュートで加点。4-0の快勝で、パナマを抜いて暫定3位に浮上した。10月10日の最終節、すでに敗退が決定している最下位トリニダード・トバコに勝てば8大会連続のワールドカップ出場が決まる。
 
 アメリカのスポーツ専門チャンネル「ESPN」がつけたプリシッチの採点は、2ゴールを挙げたアルティドールの8.5点を上回る9.5点(10点満点)。「10代にしてほぼパーフェクトなパフォーマンスだった。ボールを持つ度に相手を危険に陥れた」と絶賛している。
 
 3試合未勝利でロシア行きに黄色信号が灯っていたアメリカ。その窮地を救ったのは、10番を背負うティーンエージャーだった。
 
文:ワールドサッカーダイジェスト編集部