セレモニーでは終始、照れくさそうな笑顔を浮かべたモウリーニョ。 (C) Getty Images

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 地元の大通りに自分の名前がつけられたのは、その名が「スペシャル・ワン」として世界で知れ渡っているからに違いない。がしかし、その愛称が使われないからこそ、マンチェスター・ユナイテッドの指揮官ジョゼ・モウリーニョは故郷に特別な想いを持ち続けている。
 
 現地時間10月3日、モウリーニョの故郷セトゥーバウは、かつて「サウーデ通り」としていた通りをの名を「ジョゼ・モウリーニョ通り(Avenida José Mourinho)」に改名した。お披露目セレモニーの様子をイタリア『スカイ・スポーツ』が伝えた。
 
 同セレモニーに出席したモウリーニョは、「セトゥーバウは今でも私が、自分は自分だと感じられる唯一の街だ。人々が普通の人間として扱ってくれて、居心地よくさせてくれる。私はあらゆる点でセトゥーバウの市民なんだ。この名誉に感激している」と、感動を露にしている。
 
 さらに、モウリーニョは「私がここに来るのは、友人たちがあの『スペシャル・ワン』なんて言い方を放っておき、今でも『ゼ』と呼んでくれるからだ」とコメント。2004年夏のチェルシー監督就任時に口にして以降、代名詞となったニックネームではなく、ポルトガル時代からの「ゼ・マリオ」という愛称で、故郷の知人たちが変わらず接してくれることを喜んだ。
 
 とはいえ、モウリーニョはセトゥーバウにとっては、いわば「おらが街の英雄」だ。同街の市長は、「ジョゼはセトゥーバウの息子であり、世界一の男で、グローバルなパーソナリティーを持っている。私たちにここで生まれたことを誇らせてくれる」と、地元出身の指揮官が世界的なスターとなったことに胸を張った。
 
「大航海時代」の主役であるポルトガルの出身とあり、かつて世界を渡り歩いていることへの誇りを伺わせたモウリーニョだが、いつか故郷に戻る日は訪れるのだろうか。指揮官は「サッカーをやめてからどうするかは分からない」としつつ、「ここはずっと私たちの家だ」と語るに留まった。