セッティング不変で挑んだ池田勇太、今季2勝目は信頼するギアで勝ち取った(撮影:上山敬太)

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<ANAオープンゴルフトーナメント 最終日◇20日◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース(7,063ヤード・パー72)>
試合前から「優勝を狙う」と公言し、そのとおりにホスト大会で勝ちきった。国内男子ツアー「ANAオープン」の最終日、最後に18番グリーンで右手を高々と掲げたのは池田勇太だった。最年少で生涯獲得賞金10億円を達成し、前回優勝時の「RIZAP KBCオーガスタ」で「ここから頂点を狙う」との言葉が伊達じゃないことを感じさせ、賞金ランク1位のチャン・キム(米国)に2,100万円差まで迫った。
前回優勝時と不変!池田勇太のセッティング
テレビ中継で何度も解説者やラウンドリポーターが「池田勇太のドライバー飛距離がすごい」と繰り返していたが、プレーオフの最終18番ホール(410ヤード・パー4)でもその飛距離アップをギャラリーに印象づけた。1ホール目は残り90ヤード、2ホール目も97ヤードと、通常の選手なら気になるはずの右サイドのフェアウェイバンカーも全くのお構いなし。
その飛距離アップがいかほどかといえば、昨季のドライビングディスタンスが282.81ヤード(28位)で、今季は現時点で302.68ヤード(4位)。ラウンド数は少ないものの、実に20ヤード近い平均飛距離アップに成功している(ちなみに15年は279.17ヤードで36位)。クラブ契約フリーで挑み賞金王になった昨季のオフから肉体改造に挑戦しているが、2年目の秋を前に大きな実りを手にしたといえるだろう。
通常なら、ここまで肉体の出力が上がればプレーに何かしらの影響を与えるはずだが、ギアに精通する池田は研究を重ねることで対応してきた。今季は序盤戦から海外ツアーに数多く参戦し、多くの海外トッププロのドライバースペックに注目。帰国する度に海外選手のドライバーのバランスやスペック、飛ばし方を語る姿が印象的で、現在の池田のドライバーのバランスは女性用にも近い「C6」。ヘッド側の軽さでヘッドスピードを上げ、シャフトをしならせづらい従来の男子プロの常識(D2〜D3)とはかけ離れたスペックに行き着いている。
本人もギアについて「だいぶ固まったね。コース的になにかをやらなくちゃいけないとき以外は(使用ギアを)変えるつもりはない」と語り、今回の優勝時のクラブは前回の芥屋GCを制したときと不変。迷いもなく、充実の時を迎えつつあるようだ。昨年は「ANAオープン」以降で2位6回、優勝2回と秋口からトップギアで頂点へ上り詰めたが、今年も自らの進化とそれに最適化したギアを武器に、昨季以上の実りの秋をイメージしているに違いない。
【池田勇太の優勝セッティング(WITB=Whats in the Bag)】
1W:テーラーメイド M1 440(9.5°、ディアマナBF 70TX 、45.5インチ)
3W:テーラーメイド M2(15°、ディアマナBF 70TX)
5W:テーラーメイド M2(18°、ディアマナBF 80TX)
4U:キャロウェイ GBB EPIC(20°、ディアマナThump IR 110X)
4I〜P、AW:ヨネックス N1-CB(MODUS3 system3+ X)
SW:タイトリスト ボーケイSM5(59°、MODUS3 system3+ X)
PT:オデッセイ O-WORKS 3T BLACK
B:ブリヂストン TOUR B330Xプロトタイプ

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