モウリーニョのメダルを手に喜ぶ8歳のマンUファン…父親「信じられない」

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 マンチェスター・Uのジョゼ・モウリーニョ監督は、8日に行われたUEFAスーパーカップのレアル・マドリード戦後、準優勝メダルをファンの少年に贈った。この少年にとって、忘れられない夜になったことだろう。クラブ公式サイトが10日に伝えた。

 8歳のアデデジ・オデュンボニくんはオールド・トラッフォードのシーズンチケットホルダーで、父と兄とともにマンチェスター・Uが2017−18シーズン最初のトロフィーを手にする姿を見るべく、試合が開催されたマケドニアの首都スコピエまで応援に訪れていた。

 試合はマンチェスター・Uがレアル・マドリードに1−2で敗戦。しかし、少年はモウリーニョ監督からサプライズギフトを受け取り、歓喜に酔いしれた。イングランドに戻った後、アデデジくんの父イブラヒムさんはスコピエでの出来事について、末息子がいかにモウリーニョ監督からメダルをもらって喜んだかを語ってくれた。

「試合の後、子供たちは負けたことにがっかりしていました。ただこの試合を見るために16時間もかけてきたので、せめてメダルの授与式は見て帰ろうと思いました。そうしたらジョゼが我々に向かって歩いてきました。彼が何をしようとしているか想像もつきませんでした。すると、彼は腕を伸ばして自分のメダルを息子に差し出してくれたのです」

「彼は何も言いませんでした。ジョゼはただうなづき、アデデジは『サンキュー』と言いました。試合に勝てなかったことへの慰めだったのだと思います。子供にとっては素晴らしい出来事でした。アデデジは信じられなかったようです。その後、たくさんの人々が集まってきて写真を撮っていました。私たちはそういったことには慣れていませんでした。普段はただ試合を見て、おとなしく家路に着くだけですから。けれど今回はそういうわけにはいきませんでしたよ!」

 イブラヒムさんはアデデジくんが4歳の頃から彼をオールド・トラッフォードに連れて行っている。しかし彼と、兄のアデヂレくんが自分たちのシーズンチケットを手にしたは今シーズンが初めてだという。

 イギリスのブリストルからスコピエまでの旅は16時間を要した。ロンドンから飛行機でブルガリアのソフィアへ行き、そこからスコピエまで6時間も車を走らせたという。アデデジくんが好きな選手は、スペイン代表MFアンデル・エレーラとアルメニア代表MFヘンリク・ムヒタリアン、そしてフランス代表MFポール・ポグバだ。そんな彼自身もフットボールをプレーし、来週サウサンプトンでテストを受けることになっている。

「家族全員でユナイテッドをサポートしています。アデデジはまだ8歳ですが私以上に熱狂的なファンですよ。息子にメダルを手にいれることは何を意味しているか尋ねると、彼は興奮気味に『20歳になるまでにバロンドールを獲りたい』と答えました」

『メダルをもらった少年』として人々に記憶されるのではなく、自分自身で、自らのプレーで、そしてマンチェスター・Uへの情熱で知られる存在になりたいとーー。

「息子はAEKボコ(ブリストルのサッカークラブ)のU−10チームでプレーしています。エレーラみたいなプレーをするんですよ」というイブラヒムさん。アデデジくんの家族が、プレミアリーグ2017−18シーズンの開幕をますます心待ちにしているのは間違いない。