日本を訪れたことのない中国人でも「日本の街中の清潔さは驚くべき水準」であることを知っている。実際に訪日したことがなくとも、ネット上で写真や手記を見かけたり、日本を訪れたことのある友人から耳にする機会は多いようだ。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本を訪れたことのない中国人でも「日本の街中の清潔さは驚くべき水準」であることを知っている。実際に訪日したことがなくとも、ネット上で写真や手記を見かけたり、日本を訪れたことのある友人から耳にする機会は多いようだ。

 中国メディアの騰訊は7日、日本に留学した経験のある中国人による手記を掲載し、「日本ではゴミの分別が非常に細かく、そして厳格に行われている」と伝えつつ、「ゴミを捨てるという行為が一生忘れることのできない体験になるとは思いもよらなかった」と伝えている。

 記事によれば、この中国人が日本に留学したのは1990年代のことであったという。この中国人が住んでいたアパートの一帯では現在同様、ゴミは分別してから捨てるのがルールとなっていて、さらにゴミは捨てることができる曜日も決まっていた。ある時、この中国人は可燃ゴミを指定された曜日に出すのを忘れてしまい、つい不燃ゴミと一緒に可燃ゴミを出してしまったという。

 ゴミを出した日の夕方、外出先から戻ると、アパートの向かい側にあった飲食店の店主がこの中国人が捨てたゴミを持って声をかけてきて、分別の不備を指摘してきたそうだ。この中国人はすっかり恥ずかしくなってしまい、分別しないままゴミを捨てたことが一生忘れられない出来事になったのだという。ゴミ分別が徹底できていないことが周囲の日本人にバレてしまったことが、中国人としては「自分のメンツに傷ついた」と感じたのであろう。

 また、日本人が「周りの人がルールをしっかり守っているか、お互いにちゃんと見ている」ということも衝撃だったようだ。ルール違反があった場合、それを看過するのではなく、誰がルール違反をしたのか割り出し、改善するよう伝えてきたという点も驚きだったようで、それ以降はゴミ分別とゴミ収集日に関するルールを遵守するよう徹底したと伝えている。

 この中国人は日本で暮らした経験から、日本の街の清潔さは「日本人の公徳心と廉恥心によって実現している」と考察。公共の場所だからこそ汚さないという気持ちと、公共の場所を汚すことは恥ずかしい行為であるという認識があってこそ、日本の街は清潔に保たれていると指摘したうえで、「日本人はこの公徳心と廉恥心を教育を通じて身につけている」と伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)