文化や習慣が異なる相手を理解し、受け入れるのはなかなか難しい。身の回りにだって「あの人はよく分からない」という人がいるのだから、国が異なれば尚のことである。中国メディア・今日頭条は21日「日本人を理解するのは難しい。8年留学したが、それでも日本人のことが分からない」とする記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 文化や習慣が異なる相手を理解し、受け入れるのはなかなか難しい。身の回りにだって「あの人はよく分からない」という人がいるのだから、国が異なれば尚のことである。中国メディア・今日頭条は21日「日本人を理解するのは難しい。8年留学したが、それでも日本人のことが分からない」とする記事を掲載した。
 
 文章の作者は、長年日本に滞在する中で「日本人や日本文化を知るには、その極端な部分に触れるべきである」と考えるようになったとし、坂口安吾の「堕落論」に興味を持ったことを紹介。その文章をクラスにいた中国人女子留学生に訳してもらったところ、原文の意図とは違う中国語の訳が出てきたと説明した。その理由を尋ねると、女子留学生は「世の中にこんな人などいないと思う。だからこうやって訳さなければ道理が通らないと考えた」と答えたという。
 
 文章はそのうえで「日中両国間には似たようなところが多くある。食事に箸を用いる、縦書きをする。これほど伝統と習慣を踏襲している国も日本や中国以外にはないかもしれない。しかしその一方で、両国間には似ていない部分も際立っている。坂口安吾の思想はその典型だ。なぜなら、中国人の思想の中に彼のような思想が存在することは難しいからだ。常識を覆すような文人は中国にもいるが、彼のような転覆性は持っていない。彼は玄妙な理論によって、人が最終的には自暴自棄になる動物であることを実証してしまったのだから」と論じている。
 
 さらに、日本政府の報告で昨年1年間に列車の遅延が4万件余り発生し、そのうち半分以上が自殺によるものだったことが明らかになったと紹介。また都内の駅には、自殺を減らすための青い照明が導入されているとした。そして「北京や上海の大都市がどのような状況なのか。この比較は、社会学の1つテーマと言えるだろう」と結んでいる。
 
 文章の作者は日本や日本人についてかなり哲学的、文学的に理解しようと試みているようである。いささか難解な文章に中国のネットユーザーからは「理解できないのは、あなたが8年も学校にいるから。2年も仕事をすれば日本人を理解できる」、「人を理解するには、まず相手の食べ物を知り、それに慣れることだ」といった指摘が寄せられた。
 
 世の中にはいくら考えても分からない、理解できないものが数え切れないほど存在する。だからといって理解しようとすることを諦めてしまえば、理解のチャンスは永遠に失われることになる。理解できたか否かよりも、理解に向けた努力こそが貴いのだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)