加齢とともに予後は悪くなると言われているが(国立がん研究センタープレスリリースより)

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国立がん研究センターは進行がんの高齢患者に対する治療効果を検証するため、同センター中央病院の患者データを活用した予備調査を行い、肺がんに限り抗がん剤治療の有無に関係なく、75歳以上では生存期間に差がなかったと、2017年4月27日に発表した。

ただし、75歳未満では明らかに抗がん剤治療ありの方が良かったとしている。

今後の大規模調査で精査

調査では、2007〜2008年に国立がん研究センター中央病院を受診した肺がん、胃がん、大腸がん、乳がん、肝がんの患者データを用いて、進行がんに対する抗がん剤治療と緩和治療(放射線治療含む)での生存日数を非高齢者と高齢者で比較した。

しかし、肺がん以外のがんでは意味のある結果は得られず、肺がんも被験者数が極端に少ないため、今回の結果だけで治療効果を評価することは困難であり、より大規模な調査が求められるとしている。

同センターによると、今回の解析対象では70歳以上の患者は全体の21%を占めるのみで、患者層が日本全体のがん患者の集団を代表していないという問題から、今回の解析には限界があり、科学的エビデンスの有無を問える成果を出すことができなかったという。