何かを失って初めて、その何かが持っていた価値に気づくということは往々にしてあることだが、中国メディアの今日頭条は3日付で、中国から日本に伝わった中国の伝統文化が今や日本を象徴する「日本文化」になったと伝え、「優れた文化を日本に取られてしまった」と悔しさを滲ませている。(イメージ写真提供:123RF)

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 何かを失って初めて、その何かが持っていた価値に気づくということは往々にしてあることだが、中国メディアの今日頭条は3日付で、中国から日本に伝わった中国の伝統文化が今や日本を象徴する「日本文化」になったと伝え、「優れた文化を日本に取られてしまった」と悔しさを滲ませている。

 記事が「日本に取られてしまった」とする中国の古代文化とは、唐時代の刀剣、隋唐時代の畳、呉のファッション、秦漢時代の角抵(かくてい)、唐時代の芸妓、周朝時代のお刺身、漢時代の木履、隋唐時代の洛陽城、ヒマラヤ山脈の桜、そして、唐時代の飲茶文化と隋時代の供花文化だという。

 唐時代の刀剣は日本刀へ、呉のファッションは和服へ、秦漢時代の角抵は相撲へ、隋唐時代の洛陽城は京都へ、また、唐時代の飲茶文化は日本の茶道へ、隋時代の供花文化は日本の華道へと発展を遂げ、それぞれ日本を象徴する文化になったと主張した。

 また単に日本を象徴する文化となっただけではなく、例えば日本刀については「世界の刀剣のなかで、もっとも切れ味の鋭い刀の1つ」と称賛。さらに芸妓は古代中国においては士大夫階級だけの特権だったが、現在の日本ではそうではないと指摘し、古代中国の伝統文化を日本が受け継ぎ、そして、発展させたという点を強調した。

 この記事に対して中国ネットユーザーたちからいくつかのコメントが寄せられたが、最も多くの支持を集めたのは「自分が宝だとは思わなかった文化を、他の人は大切な宝とした」というコメントたっだ。

 このコメントは、古代中国の伝統文化が「日本に持って行かれた」と表現した記事の考え方にそれとなく異議を唱える趣旨も含んでいると言えるだろう。しかし、中国が最も心がけなくてはならないのは、現代の中国が持っている「中国らしさ」や「自国の文化」を見つめ直すことであり、他国文化をうらやむことではない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)