港区おじさん主催のホームパーティー。それは、港区女子が湧き出る泉だが、港区女子のためのものではない
港区女子は、それ単体では存在し得ない。
彼女たちの影には、太陽と月の如く、欠かせない相手がいる。
ー港区女子を生み出しているのは一体誰なのか
その正体は、“ありあまる富”を持つ、港区おじさん。
彼らはいかにして港区女子と関係を持つに至り、どのようなライフスタイルを送り、そして、何を考えているのか。
ベールに包まれた港区おじさんの実態に迫っていく。
これまでに、典型的な港区おじさんの純一、港区女子を国民的アイドルグループに喩える貴教、タンバリン男の春彦を紹介した。今週は?
【今週の港区おじさん】
名前:賢治
年齢:42歳
職業:アパレル会社経営
好きな店:『ザ パブリック シックス』『ケンゾーエステイトワイナリー(六本木ヒルズ店)』
好きなタイプ:港区にいない子
止め処なく溢れる港区女子
「毎週第二・第四木曜日はホームパーティーの日。いつの間にか、それが慣例となりました。」
肩幅が広く、日焼けした肌に白い麻素材のシャツがよく似合う賢治。六本木ヒルズレジデンス(B棟)に部屋を持ち、隔週で部屋を解放してはホームパーティーを開催している。
「家と言いますか...解放しているのは、会社名義で借りている会議用の部屋です。自宅は田園調布にありますから。」
賢治のホームパーティーは港区界隈では有名であり、賢治が主催する会の参加者は錚々たる顔ぶれだ。賢治の会に呼ばれると、“正式に港区民になれた”と晴れて言えるほどの権威を持つ。
「何故でしょうね...元々芸能事務所の経営者と仲が良く、彼が連れて来る子たちを集めて家で飲んでいたら、いつの間にか今のような形態になっていました。」
顔が広く、人望の厚い賢治の周りには自然と人が集まる。その甘い蜜を奪い合うかの如く、うら若き乙女達は出会いを求めて参加し、男性側も未来の港区女子候補を求めてやって来る。
「男性側の参加者は知人やその友人など顔見知りが多いのに対し、何故か女性側は毎回フレッシュな顔ぶれになる。皆どこから湧いてくるのか...不思議ですよね。」
開催者の賢治でさえ出処が分からぬような女性が絶え間なく出現するが、実はその裏にはカラクリがあった。
そしてこの港区のホームパーティーこそが、港区女子を生み出す最大の泉となっているのだ。
港区ホームパーティーへの糸口は、やはりあの男
毎週月曜日になると、港区女子にはタンバリン男から以下のようなLINEが、回覧板の如く回ってくる。
-今週木曜日、飲食経営で有名な譲治君の家(東京タワーが一望できる、麻布十番のレジデンス)でホームパーティーします。男性は、経営者、医者、芸能人など。女性は20代のモデル、タレント、秘書など。
やたらと参加者の肩書きが羅列されたこのLINEを受け取った港区女子は、この手のホームパーティーに来る男性は“中の中クラス”だと知っている。
しかし出会いがあるかもしれぬと淡い期待を抱き、いそいそと参加する。そして引き連れて行くのは、仮に実らぬ結果となっても、参加できるだけで喜んでくれるような、港区初心者の女友達だ。
ホームパーティーはお食事会と違い、一回で多くの人と出会う。そして何よりも敷居が低い。女友達も誘いやすく、一度しか会っていない顔見知り程度の友達を誘う港区女子も多くいる。この敷居の低さと“ホムパ”という響きに吸い寄せられ、一人、また一人と潜在的な港区女子が顕在化していく。
段階を踏まねばならぬ港区ホームパーティー事情
しかしこの“中の中クラス”のホームパーティーに参加できただけでは、賢治の会には未だ辿り着けない。そこから徐々に段階を踏む必要がある。
微妙なホームパーティーでも、少なくとも一人は次のホームパーティーへと繋ぐ役割を担う男性が存在する。タンバリン男のような無鉄砲な誘い方はせず、内輪で開催される少人数制のホムパへ誘ってくれる人だ。
彼らは賢治のような港区おじさんの中でもトップにいる人たちと、タンバリン男の中間くらいの立ち位置にいる。上からも下からも慕われているこの階層の人を押さえておくことで、港区女子はようやく賢治のホームパーティーに辿り着けるのだ。
しかし先程も述べたように賢治自身はこの過程を知る由もない。ただ勝手に、“港区女子が突如湧き出てきた”くらいの認識しかない。
港区女子目当てではない?港区おじさんがホームパーティーを開催する真の理由
ホームパーティーの目的を履き違えぬように...
「派手そうだね、とかよく言われますが、実は自分自身は特に連絡先を聞いたりもせず、皆のことを蚊帳の外から眺めているだけなんですよ。」
賢治は、自分から行動を起こさない。場を提供しているにも関わらず、皆が楽しんでくれるのを見るだけで本望だと言う。
「ここの家主です、と言った途端に女性陣の目の奥が光りますからね...“お仕事は何をされていますか?”から始まり、“お部屋余ってますよね”とまで言われることも。」
多数の港区女子を第三者の視点から見てきた分、賢治は冷静だ。ホームパーティーは好きだが、本人は何も求めていない。そこにあるのは、ただ純粋な賢治のおもてなしの心だけだった。
港区に還元したい自分の感謝の意
「では何故開催するのか、と聞きたくなるでしょう?元々、自分のビジネスも周囲の人に助けてもらい、影響を受けてきた。出会いの大切さを痛感してるからこそ、ここで出会いが生まれ、誰かが幸せになってくれればそれで良いかなと。」
数年前に賢治のビジネスに暗雲が立ち込めた際、助けてくれたのが当時港区で遊んでいた友人だった。それ以来、彼には感謝の気持ちしかない。
そんな経緯もあり、賢治の目的は港区女子ではなく、来てくれる男性陣に向けられている。友人たちにとって良縁となり、それを糧にして飛躍して欲しい。
一方の港区女子に対しても、“人脈は宝”だと知って欲しいという願いも込められているそうだ。
「たった一人の男性との出会いで、女性は運命が変わることもある。出会いは宝であり、人生を大きく動かす力になるからね。」
今宵も、賢治の六本木ヒルズのレジデンスには煌びやかに着飾った女性と港区男が集結している。そしてまた、ここから新たな港区女子が誕生するだろう。
▶NEXT:2月10日金曜配信予定
港区に住めぬが関わりは持ちたい。そんな男の港区スタイルとは?
【これまでの港区おじさん】
vol.1:港区おじさんが編み出した「港区女子適性診断」。貴方はいくつ当てはまる?
vol.2:港区女子は“ヘビーローテーション”されない?彼女たちの寿命はカブトムシ並
vol.3:港区おじさんの必需品、今日も隣にいる“タンバリン男”とは?