先日、マンチェスター・ユナイテッドに所属するイングランド代表FWルーニーが、中国のクラブから100億円を超えるオファーを提示されたとの情報が流れた。その真偽はさておき、ビッグマネーで海外の超一流選手を釣り上げる今の中国サッカー界の状況を象徴するようなトピックと言える。「彼らだったら、やりかねない」といったところではないだろうか。(イメージ写真提供:123RF)

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 先日、マンチェスター・ユナイテッドに所属するイングランド代表FWルーニーが、中国のクラブから100億円を超えるオファーを提示されたとの情報が流れた。その真偽はさておき、ビッグマネーで海外の超一流選手を釣り上げる今の中国サッカー界の状況を象徴するようなトピックと言える。「彼らだったら、やりかねない」といったところではないだろうか。

 中国メディア・今日頭条は7日、「日本のサッカーリーグが素晴らしいのは、大量の資金投入ではなく、人材を育てている点だ」とする記事を掲載した。記事は「サッカーリーグのレベルは、お金の使いっぷりから判断することができるのだろうか」として、中国と日本のサッカーリーグからその「答え」が得られると伝えた。

 まず、中国のクラブチームについて「大量の札束を持ちだして著名なスター選手を呼び込む」と説明。このため、「中国リーグは金儲けの場所」との認識がスター選手の間で持たれるようになり、「稼ぐために多くの選手が中国リーグでプレーしたがるようになっている」とした。

 これに対して日本のJリーグは、黎明期の90年代には大量の資金を投じてビッグネームの選手を招き入れる傾向があったものの、現在ではそのような動きは見られないと紹介。「人材を買うための資金投入を惜しむ代わりに、中国のクラブよりも優れた運営理念を持っている」とし、今シーズンJ1リーグ戦の年間1位を勝ち取った浦和レッズについて「ビッグネームの選手はいないが、経営状況は良好。全くもって、日本の『匠の精神』を持ったクラブなのである」と評した。

 さらに、「最も重要なこと」として、Jリーグは非常に多くの人材を輩出する場となっていることを説明。同リーグから欧州へと巣立っていった選手たちにより、日本サッカーの力がアピールされるとともに、ナショナルチームにも絶えず人材が供給されているのだ、としている。

 Jリーグの黎明期、クラブが大枚をはたいて世界的なスター選手を招へいすることで、彼らの持つテクニックやサッカーに対する姿勢が日本人選手たちに伝わっていった。そして、現在のJリーグの発展や、日本代表の成長の礎を築いたのである。今、中国のクラブは豊富な資金力に物を言わせて大物選手の獲得に躍起になっているが、そこには果たして国内リーグの成長、中国代表の成長という視点が存在するのだろうか。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)