尾野真千子&江口洋介の出産ごっこの衝撃に腰を抜かす「はじめまして、愛しています」今夜5話

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第5話は「出産ごっこ」に全部持ってかれたよ


虐待を受け、大人を信じられなくなっていることから、新しい里親をどこまで信じて良いのか分からず数々の問題行動を取ってしまう「試し行動」が収まった。

……と思ったら今度は、今まで親に甘えられなかった分、赤ちゃんの時のような状態に戻って思いっきり親に甘えまくってしまう「赤ちゃん帰り」がはじまった『はじめまして、愛しています』(テレビ朝日系・木曜21:00〜)第4話。

しかしもう、他のストーリーは覚えてません。今回は「出産ごっこ」。コレに全部持ってかれた!


妊娠・出産を経ずにどうやって母親になったらいいのか


ハジメ(横山歩)がようやく自分たちになついてくれた……と思ったら、「赤ちゃん返り」がはじまり、推定5歳児だというのに、四六時中おんぶや抱っこをしていなければ気が済まないという状態に。

さすがに5歳児の体重を常に持ち歩いているのはヘヴィー過ぎるということで困惑する美奈(尾野真千子)&信次(江口洋介)の夫婦。

例のごとく、信次は必要以上のスーパーポジティブを発揮して美奈を励ますものの、「昼間ずっと一緒にいて大変なのは私なんだから!」とキレる美奈。

こんな感じで「赤ちゃん返り」に対応できずに悩み、どうしたらいいのか……というのが第4話のメインテーマだったのだが、その「赤ちゃん返り」を収束させる必殺技(?)が「出産ごっこ」なのだ!

赤ちゃん状態に戻ってしまったハジメを、くまの着ぐるみを借りてきて一生懸命に喜ばせようとしている信次を見て、育児疲れで「もーダメ」という精神状態になってしまっている美奈は、

「本物の父親だね……そんなことハジメにしてやれるの、本物の父親しかいないもん」

「私も本物の母親にならなきゃね」

……というわけで、なぜか「出産ごっこ」をすることに。

確かに、ハジメと特別養子縁組をすると決めてから一貫して「子どもができて嬉しいー!」という感じで浮かれまくっている信次に対し、現実問題として子どもと向き合わなくてはいけない美奈の方は「喜び」よりも「子育てツライ」という気持ちの方が前面に出ているように見える。

このあたり、特に何もしないのに「父親」気分になれる男性と、妊娠・出産を経て子どもとのきずなを構築して「母親」になっていく女性との違いをイメージしているのだろうか?

じゃあ妊娠・出産を経ることなく、特別養子縁組で子どもをもらった女性は、どうやって「母親」になったらいいのか!?

そこで「出産ごっこ」ですよ。

「はじめまして、愛しています」って言っちゃった


「いい? ハジメ。今からハジメを産んであげるから」

いやぁ〜……本当に衝撃的でした、「出産ごっこ」のシーン。

『はじめまして、愛しています』を毎週観ている知り合いから「大変なことがはじまった!」とLINEメッセージが来たくらい(オレは仕事中だったから、録画で観る予定だったのにネタバレしやがって!)。

美奈のお腹の上にハジメ(5歳児)を乗せ、股をガッと開いて出産体勢に。

「ふん〜……うう〜!」

と、出産時の呼吸法をシミュレーションする美奈(ヒッヒッフーの「ラマーズ法」じゃないんだねぇ?)。

美奈の股(ハジメ)に向かって必死に声をかける信次。

「ほら、ハジメ大丈夫だよ。生まれてきて大丈夫だから! この世界はつらいことばかりじゃないから。楽しいことも綺麗なこともいっぱいあるから。お父さんとお母さんが、いっぱいいっぱいそれ教えてあげるから。安心して出ておいでハジメ!」

感動シーンのはずなんだけど、なんというか……「出産ごっこ」のビジュアルが衝撃的過ぎて、素直に感動できなかったっす。

80年代の大映ドラマで、なんか感動的なことを言っているハズなのに、同時進行で珍奇すぎるエピソードが起こっているため、全然頭に入ってこなかったような感じで。

とにかく「出産ごっこ」は、美奈&信次の必死の呼びかけに応じて、ハジメが股からはい出してきて終了。

「ハジメが生まれたぞーっ!」と雄叫びを上げる信次。

そして美奈はハジメに「はじめまして、愛しています」と声をかける。

あ、そのセリフ、ここで出しちゃうんだ!?

ハジメ役・横山歩くんに注目!


無事(?)出産を終え、赤ちゃん状態だったハジメも急速に成長していき、本来の「5歳」に近づいていく。

そして遂に「お母さん……お母さん……」と、ハジメがしゃべった!

最終回でようやくハジメがしゃべるようになって大感動! そして「はじめまして、愛しています」。……みたいな展開を予想してたんですが、両方とも第4話で達成されてしまうとは。意外とはやかったですね。

でも、やっぱり大感動して泣いたけど。

とにかく、ハジメ役の横山歩くんの「悲惨な経験を経て心を閉ざしてしまった子どもがじょじょに心を開いていく」演技がスゴイ!

「セリフなしであそこまでの演技をしていたけど、実際にセリフを言ったら意外とヘタだったり!?」とか思っててスミマセン。

第4話では、ハジメにピアニストとしての才能があるのでは!? という重要な伏線も張られていましたね。

プロのピアニストとして大成できなかった美奈が「自分の夢よもう一度」とばかりに、ハジメをプロのピアニストとして育て上げる展開になっていくのか?

逆に、音楽に縛られていた自分の人生から解き放たれるために、周囲が「才能があるんだからピアニストにしろ」とか言ってくるのに対して、「ハジメの好きにさせる!」みたいな展開となるのか……!?

そして、普通にしゃべるようになっていくであろう第5話での横山歩くんの演技にも注目していきたい!
(イラストと文/北村ヂン)