日本造船工業会によれば、2015年通年の日本の新造船受注量は2222万1575総トンに達し、09年以降としては最高を記録した。15年まで日本の造船業は円安を追い風に市場シェアを高めていたため、それが韓国の中型造船企業の業績不振の原因の1つとなったという見方もある。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本造船工業会によれば、2015年通年の日本の新造船受注量は2222万1575総トンに達し、09年以降としては最高を記録した。15年まで日本の造船業は円安を追い風に市場シェアを高めていたため、それが韓国の中型造船企業の業績不振の原因の1つとなったという見方もある。

 しかし中国メディアの国際船舶網はこのほど、「日本の造船業にとってのすばらしき日々はまもなく終わる」と主張する記事を掲載した。その理由は「造船業界の世界的な不景気」と「円高がもたらす不利な影響」だと説明している。

 記事は船舶工業メディアであるTradeWindsの報道を引用、ばら積み貨物市場の低迷により、16年初めから現在までで日本造船企業の新造船受注量は前年同期比92%も減少したと紹介した。

 続けて、「これまでずっと、ばら積み貨物船の受注は日本の造船企業にとって重要な存在だった」と指摘、ばら積み貨物市場の低迷が日本の造船業に暗雲をもたらしているとの見方を示した。また韓国造船業は80%の減少、中国企業は18%の減少にとどまっていると紹介し、日本造船業の新造船受注量減少の深刻さを際立たせた。

 記事は「日本造船企業の新造船受注量は前年同期比で92%減少」と説明しているが、日本の造船企業の手持ち工事は3年弱あるため、新造船受注量の減少が今すぐ日本の造船企業に深刻なダメージを与えるということはない。また、日本の造船メーカー各社はばら積み貨物市場の低迷を乗り切るために新型船の開発に着手している。こうした逆境を活かす姿勢は、日本造船企業にさらに強力な競争力を付与する助けになるはずだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)