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親戚オススメのアプリは自分が作ったものだった


◇C Channel株式会社 ディレクター 兼 エンジニア 齊藤健太(さいとう・けんた)氏

- まずは、開発に携われている『C CHANNEL』について教えてください。

齊藤氏:C CHANNELは、世界中の女子のための動画メディアというコンセプトでやっています。最近は、ノウハウ系の料理レシピやヘアメイクの仕方というような、思わず女性に「知りたい!」と感じていただけるようなコンテンツ制作に力を入れています。また、タテ型動画に関しても、力を入れていますね。

- 現在、C Channelでは具体的にどのような役割を担っているのでしょうか?

齊藤氏:現在は、C CHANNELのアプリ版と縦型動画を撮影・編集できる『C CAMERA』というアプリの制作、開発のディレクションなどをしています。これまでさまざまな環境で、iOS、Android開発、サーバー構築、API開発、Webサイト制作など幅広く経験してきたのもあって、広く浅くなんでもできるタイプだということでいろいろなことに携わっています。立場的にはチームをまとめています。


◇『C CHANNEL』のアプリ画面

- 齊藤さんがiOSアプリ開発を始めたキッカケはなんでしょうか?

齊藤氏:もともとは、7年前くらいに、坂本龍一さんのLIVEに行ったのがきっかけなんです(笑)。会場が銀座のApple Storeだったんですけど、前座が楽器アプリを10分で作るというもので。それを見た時に、「なんだ、簡単そうじゃん」と思ったんです。いざ始めてみたら全然できなかったのですが(笑)

ただ、2ちゃんねるのネタを使ったアプリを趣味で出したところ一気に10万DLいったり、いとこが面白いアプリあるよと言って見せてくれたのが僕のアプリだったり、と、身近なところで影響力の強さを実感できたし、クリエイターとしても面白い領域なので、iOSアプリ制作は続けていきたいなと思っています。

また、始めた当時はiPhoneアプリのエンジニアが市場にほとんどいなかったというのもあり、いろいろなお誘いをいただけて経験を積めました。その後、C Channelに参画するまでは個人事業主としてWebサイトやスマホアプリの受託制作など行っていました。

- 会社設立を前に、なぜC Channelに参画することを決めたのでしょうか?

齊藤氏:個人事業がうまくいっていたので、そろそろ法人化して新規事業をやりたいなと思って、弊社代表の森川に相談を持ちかけたら逆にスカウトされたんです。青山のお店で頑張ってプレゼンしたのですが、「なるほど。それはいいんだけど、C Channelというのを考えていてさ。こっちの方が面白いから一緒にやろうよ」と言われ、「え? 話聞いてくれるんじゃないの?」と(笑)

その後、C Channelに入社予定の方たちと会って話を聞いていく中で、「このメンバーだったら面白いことができそうだな」と思ったので参画を決めました。タクシー会社でアプリ制作に携わった経験もあってか、“他事業×IT”の可能性はまだまだあると思っていたので、映像業界に携わっていた人などが社内に居るといったところに強く惹かれました。

目標は若い女性が“こぞって見る”メディア

- 劇的な展開ですね。事前アンケートでは、参画しはじめが特に大変だったとのことですが。

齊藤氏:そうなんです。当初iOSエンジニアが自分だけだったので、比較的早いペースでC CHANNELアプリとC CAMERAアプリを同時に開発、改修していくのが大変でした。動画の撮影や編集機能の制作は、経験が少なかったので特に大変でしたね。

- ちなみに現在はいかがですか? チームをまとめる立場になってからの苦労など。

齊藤氏:辞職を申し出るメンバーが出てくるとか、いろいろありますけどね(笑)。開発で意識している部分は、動画を扱っているので、パケットは気にしますし、サクサク見れるかというパフォーマンスの面もですね。あとは、採用面で特にカメラアプリのエンジニアを募集しているのですが、日本に動画編集に関する技術の経験者があまりいなくて苦労しています。

ただ、現在の開発チームは非常に安定感があって、大きなトラブルもないですね。まとめる立場としては特にコミュニケーションに気を使っています。受託開発の現場で、制作サイドの仕様の取り違えやクライアントへのヒアリングミスなど、簡単なディスコミュニケーションでデスマーチに陥るケースをたくさん見てきたので、ここには本当に気を遣っています。

- では、やりがいを感じる瞬間や楽しいと感じる瞬間はありますか?

齊藤氏:そうですね。アプリケーションとしての機能は揃ってきたので、次は起動率や回遊率といったKPIの数字をどう上げようかという話し合いを日々しています。そこで施策を考えて実行して、実際に数字が上がるとやっぱり嬉しいです。

- そうなんですね。世の中的に動画メディアが流行していると思っているのですが、市場としてどう考えていますか?

齊藤氏:世界的にはライブストリーミングなどコンテンツフロー型のメディアが流行していますが、Youtubeやニコニコ動画、C CHANNELのようなコンテンツストック型のメディアの方が、コンテンツを使い回せるので、ビジネスとしては堅実かと思います。あとは、今度5Gという新しい携帯回線が出るタイミングで7GB制限が無くなるという噂がありますが、回線の制約がない世界になると俄然動画メディアは盛り上がると思います。

- 制限が無くなるのは大きな変化ですよね。他にも、たとえばリソースが無限にあったらどんなことをしたいですか?

齊藤氏:機械学習にその無限のリソースを割いてみたいです。弊社サービスの中で言うと、ユーザが各々の一番見たい動画に最短距離で辿り着くための道づくりを機械学習でできたらいいなと思います。いいなというか、近い将来そうなっていくんだろうと思います。

- さいごに、今後の展望を個人と会社の観点でお聞かせください。

齊藤氏:分散型メディアとして、Facebookなどのソーシャルメディア上で有名になってきたC CHANNELですが、今後は自社メディアの方もユーザ数を伸ばし、若い女性が“こぞって見る”ようなメディアにしたいです。もちろんアプリももっとDLして頂けるものにしたいし、C CHANNELやその仲間たちに負けないよう、自分自身をグロースしていきたいです。

個人的な話ですと、女性だけでなく僕のようなアラサー男性も楽しめるC CHANNELになると嬉しいですね。あとは、エイプリルフールイベントに工数を一ヶ月くらい割いてばかばかしいことをしたいです(笑)

- ありがとうございました。

2015年にローンチしてからSNSを中心に知名度を上げ続けている動画メディア『C CHANNEL』。その裏で活躍する、齊藤さんをはじめとする豊富な経験に裏打ちされたプロフェッショナルの存在を垣間見た気がした。

IT業界だけじゃない、さまざまなルーツを持った人が集まったというそのチームの強みを存分に生かすC Channel株式会社は、今後も新たな仲間を増やしながら世界を視野に新たな挑戦を続けるのだろう。

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今回取材した方

C Channel株式会社 ディレクター兼エンジニア 
齊藤健太(さいとう・けんた)氏

2015年3月にC Channel株式会社入社。
東京生まれ東京育ち29歳。大学時代にiPhoneと出会いプログラミングにのめり込む。その後、ゲーム、スマートフォンアプリケーション、キャンペーンサイト、組み込み機器など様々なプログラミングを経験し今に至る。グッドデザイン賞BEST100を受賞した全国タクシー配車アプリなど手がけた事をきっかけに、「他事業xIT」に興味を持つようになる。

ReadWrite[日本版] 編集部
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