以前、皮膚科に通院していたのですが、もちろん病院で薬を処方してもらいます。そこでもらう内服薬は、一日3回のペースで飲まなければいけませんでした。でも、どうにも忙しさにかまけてしまう。うっかり忘れることも多かったです。結果、一日に1〜2回しか飲まぬままで済ませてしまい、次回行った時にお医者さんに「あれ? 思ったより良くなってないな……」なんて言われたりして。ハッキリ言って、あれは気まずい。

薬を飲むタイミングを呼びかけてくれる


株式会社タカラトミーフィールドテック(タカラトミーグループ)と有限会社デジレクトがコラボレーションし、こんな物を開発しました。薬の飲み忘れを防止する薬箱、その名も『スマイルメディくん』です。


背面トレイには、4回分の薬収納ケースがある。


台座の下には、診察券やポイントカードを収納できるカード入れも。診察券やポイントカードが見つからず「どこ置いたっけ?」と右往左往することが防げるもしれません。



さあ、ここからが本番。まずは、薬を飲む時刻を設定してください。すると、そのタイミングでメディくんが薬を飲む時刻を“おしゃべり”で知らせてくれるのです。

「お薬の時間ですよー」「そろそろ、お薬飲む時間だよ」などとお知らせしてくれ、飲んだことを頭のスイッチを押して知らせると「了解!」「うん、わかった」といったお返事をしてくれます。これは、たしかに飲み忘れがなさそうだ!


「この製品を企画した企画担当者に毎日薬を飲む必要のあるご家族がいるのですが、そのご家族が薬を飲み忘れたり、また『お薬は?』と声掛けし忘れることが度々あったそうです。そこで、生活の中で薬を飲むことをサポートしてくれるツールがあれば良いと考え、『スマイルメディくん』開発はスタートしました」(タカラトミー広報)
その後、デジレクト社の「コミュニケーション要素をプラスできないか」という提案により、“コミュニケーションする薬箱”という要素がプラスされたそうです。

「しゃっくりの止め方知ってる?」 薬箱から教わる健康雑学


そんな『スマイルメディくん』は、やはりお薬を飲むシニア層を想定して開発された商品です。


「お薬を飲まれる方がいたらご家族で購入していただき、コミュニケーショントイとして楽しんでいただければと思います。朝は『おはよう』、夜になると『明日もいい一日でありますように』など時間帯に応じてお話しする内容が変わってきますので、生活のリズムを作る上でメディくんがその役目を担ってくれることを期待しています」(企画担当者)

そう、この薬箱は「コミュニケーショントイ」としても有効。健康に関する雑学、食べ物、睡眠、ことわざ、運動、早口言葉など、健康生活に役立つ約600種類の“健康会話”をお話ししてくれます。
●健康会話例
・しゃっくりの止め方知ってる? お砂糖を喉の奥に入れて飲み込むんだって。ホントかな?
・足は第2の心臓だから、足を鍛えると血液の循環も良くなるよ。
・夜更かしすると朝寝坊になりがちだよね。早寝早起きが一番!

こんな風に会話の相手をしてくれるなら、薬を飲まずとも持っていたくなるかもしれません。
「一人暮らしの年配層にとってただの薬箱ではなく楽しい刺激をもらえるようなプロダクトとなることを想定し、作られています。遠く離れた祖父母・両親へのギフトに最適です。また、『中学生の子どもが持病を持っているのだが、よく薬を飲み忘れてしまう。このプロダクトで、薬を飲む楽しいきっかけづくりになれば』というお声も頂戴しました。そのことから、シニアに限った商品じゃないとも思っています」(企画担当者)



薬箱本体にマイクが内蔵されており、音や声に反応してお話ししてくれるそう(※音声認識機能ではない)。時間帯に応じてメディくんが自分から話しかけてきたり、頭のスイッチを押せばいつでも楽しいお話をしてくれたり、コミュニケーション法はとても簡単です。また、気になる“健康会話”をもう一度聞きたい場合は、メディくんの頭スイッチを連続で2回押すと再度同じお話を繰り返してくれるので、聞き逃しても大丈夫!


時に「生麦 生米 生卵」「裏庭には二羽 庭には二羽 鶏がいる」と早口言葉も話してくれるので、復唱すれば脳活性の期待もできます。

そんな『スマイルメディくん』の正式発売は12月中旬頃が予定されており、一般販売想定価格は6,264円(税込)。主に、通信販売(カタログ通販、新聞通販、インターネット販売)で購入できることになりそうです。また現在は、クラウドファンディングサービス「Makuake」にて先行予約が受け付けられているとのこと。

昨今、医薬品に関する問題として「薬を飲み忘れる(怠薬)」「薬の飲み残し(残薬)」といった問題がお年寄りの間で発生しているそう。
「こうした社会問題を踏まえ、シニア層の元気な生活を応援するパートナー『スマイルメディくん』は誕生いたしました」(タカラトミー広報)

とにかく可愛らしいので、やたらと構ってあげたくなります。ということは、自ずと薬の飲み忘れが少なくなるということですね!
(寺西ジャジューカ)