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「(大検を受けるまでは)中卒のシングルマザーとして、社会の偏見にさらされました!」

 父親からDVを受け、2人の子供を残して夫は蒸発。生活保護を受けたこともある壮絶な人生をアピールしていたのは、池田真紀氏(43)。4月24日に投開票された衆議院北海道五区補欠選挙で、候補者として大きな注目を集めた。

 昨年、町村信孝氏(前衆院議長・70歳没)が亡くなったことで行われた今回の補選。

 当然、町村氏の後継者である娘婿の和田義明氏(44)が、自民党の公認を受けて楽勝するはずだった。それが追い上げられたのは、池田氏の強烈なキャラクターもさることながら、初めて民進党と共産党が連合を組んだ(注1)ことも大きかったのだろう。

 とはいえ、終わってみれば和田氏が60歳代(注2)を除く全ての年代の支持で上回り、池田氏の得票数も前回の民主党候補+共産党候補よりも低かったのだから、負けは負け。鳥越俊太郎氏(76)や香山リカ氏(55)など、陣営的にお馴染みの応援団たちも意気消沈といったところか──SEALDsを除いて。

■SEALDsに必要なこと

 安保法制に反対する無党派の学生たち、という触れ込みで登場したSEALDs。だが実態は、これまで様々な選挙で特定党派の候補者を応援してきた(注3)。しかし、

・国会前で太鼓を叩いて大騒ぎしたが、安保法案可決(H27年9月)・大阪W選挙で共産党と共に橋下徹と闘うが、惨敗(H27年11月)・京都市長選挙で共産党推薦候補を熱烈応援も、瞬殺で敗れる(H28年2月)

 これまで勝ったことが無い。そして今回も、また敗れた。

 連戦連敗にメゲないのは若さの証としてホメてあげてもいいが、いかんせん質の低すぎる言動も目立った。

「(池田候補のために)電話がけを是非、してほしいです!(略)管理人から、電話がけのリストが送られます」
「開票率30%いってないのに、当確出るってどゆこと???」
「なんで(当確)? 和田のが低いやん。」

 公職選挙法違反スレスレの活動だったり、選挙速報の仕組みを知らなかったり。これまで政治的な偏向を批判されたりしてきたが、そもそもSEALDsは絶対的に知識が足りない。右とか左どうこう以前に、基礎的なことからやり直すべきだろう。民進党と共産党が「民共合作」(注4)してまで敗れたいま、街頭から大学や職場に戻る時期なのだ。

 SEALDs諸君には次の言葉を送りたい。誤ってウィンストン・チャーチル(注5)の名言として広まったが、出典や解釈には諸説ある。しかし、これだけ人口に膾炙したのだから、それなりの真実を秘めているのだろう……。

「20歳までに共産主義にかぶれない者は情熱が足りない。20歳を過ぎても共産主義にかぶれている者は知能が足りない」

(注1) 連合…共産党が独自候補の擁立を止めた。
(注2) 60歳代…例によって団塊世代。
(注3) 特定党派…共産党が乗れば、自民を応援したことも。
(注4) 民共合作…かつて中国で、国民党と共産党が共通の敵に対して一時的に連合して「国共合作」と呼ばれたことから。

(注5) チャーチル…第二次世界大戦時の英国首相。名言の宝庫。

著者プロフィール


コンテンツプロデューサー

田中ねぃ

東京都出身。早大卒後、新潮社入社。『週刊新潮』『FOCUS』を経て、現在『コミック&プロデュース事業部』部長。本業以外にプロレス、アニメ、アイドル、特撮、TV、映画などサブカルチャーに造詣が深い。Daily News Onlineではニュースとカルチャーを絡めたコラムを連載中。愛称は田中‟ダスティ”ねぃ