昔、「ワン!」と吠えると電流が走り、飼い犬を静かにさせる首輪が発売されて話題になった。このグッズについて、20年くらい前にビートたけしがネタにしていたのを覚えている。
「俺の知り合いが『こういうのはまずは飼い主が試して、犬の気持ちを理解しなきゃいけないんだ』って実際に着けたんだよ。そしたら予想以上の電流に悲鳴を上げて、その悲鳴に首輪が反応して、また悲鳴を上げて、電流が止まらなくなって、病院に運ばれた」
たしか、こんなオチの話だったはず。真偽不明のエピソードではあるが、人間がワンちゃんの境遇を理解しようとする姿勢が素晴らしいではないか。

音漏れを防ぎ、風通しの良い、ワンちゃんのための防音ベッドルーム


話は変わって今、こんな商品が話題になっている。株式会社ノースビレッジラボ(東京都港区)によって開発された『エアトースワン』は、いわゆる“ペット用のベッドルーム”だ。



もちろん、ただのそれではない。まず、第一の特徴として防音機能が挙げられる。「ワン!」と吠えるワンちゃんの声が外に漏れないのだから、近隣との不要なトラブルを避けたい飼い主さんには食指が伸びるアイテムかもしれない。

ただ、一つだけ懸念材料がある。音漏れを防ぐならば、四方を囲む壁面に隙間があってはいけない。きっちりみっちり密閉しておく必要がある。
これが、なんだか可哀想で……。だって、想像するだけで息苦しそうじゃないですか。あと、夏が来たら暑さはどうするのか? 快適でないとしたら、愛するペットをそこに閉じ込めておくなんて絶対にできないよ!

……大丈夫です。『エアトースワン』には、いくつもの空気穴が設置されてます。ここから音が漏れたら本末転倒なのだけど、同社はこの穴に光と音を通す防音パイプ「エアトース」をかませてみせたらしい。


およそ20デシベルの減音が可能であり、しかもエアコンなどの送風は通過されるスグレモノです。

「ワンワンワン!」 ワンコになって本当に防音するか試してみた


でも、本当かなぁ。ちゃんと、ワンちゃんは快適でいられるのだろうか?

疑問があるならば、まずは人間が身をもって体験してみるべき。……大丈夫です、抜かりなしだから。『エアトースワン』の内部はどうなのか、中に入って実際に試した人がいるのです。『エアトースワン』を開発したノースビレッジラボの社長さんが、ワンちゃんに成りきってベッドルーム内ですましている動画をご覧ください。

●ワンコになった

「今から犬になります。ワンワンワン!」とつぶらな瞳でこちらを見つめる同社・北村善治代表取締役が愛らしすぎるが、そればかりに気を取られてちゃいけない。『エアトースワン』が被さると、「ワンワンワン!」の声が明らかに小さくなった。「声の大きさは変えてません!」「息が曇りません!」というテロップは親切すぎて、どうにも愛らしくなってくる。

●ワンコの気持ち

ベッドルームから放出される「ピンポン!」というブザーの音も、『エアトースワン』が被さればかなり小さな音量に。代表取締役が「フーッ」と息を吐いても曇らない壁面は、室内の風通しの良さが影響しているのか? 

代表取締役が可愛らしすぎる


ベッドルーム内からの音漏れを軽減するということは、外部からの騒音量も軽減されるということ。要するに、中にいるワンちゃんを刺激しない。実際に試用した飼い主さんたちからは「犬が入ると吼えなくなった」という声も上がっているという。

そんな『エアトースワン』は、2サイズがラインナップされている。“ゆったりサイズ”の大きさは60×50×50cm(幅×高さ×奥行き)で、価格は88,000円。“仮住まいサイズ”は50×40×40cm(幅x 高さx 奥行き)になっており、価格は52,000円。
他社の“防音ケージ”は20万円前後以上と高額な物が多いので、経済的である。換気をする為の電動ファンも不要なので、電気エネルギーを一切使用しないエコ技術とも呼べる。

ワンちゃんに優しいし、経済的だし、エコだし。様々な“売りポイント”があるのだけども、何よりまずは、代表取締役の可愛らしさだ。
(寺西ジャジューカ)