為末大や吉田沙保里も…。成人してからも発症する「大人のぜんそく」とは

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今月10日にぜんそくと判明したことを明らかにしたレスリング選手の吉田沙保里さん(33歳)。この報道を受け、フジテレビ系「とくダネ!」のなかで、元陸上競技選手で現在はスポーツコメンテーターとして活躍している為末大さん(37歳)が、現役時代にぜんそくに悩まされていたことを明らかにしました。

「ぜんそくは子どもの頃に患って成長とともに治る病気」と思い込んでいる人もいるかもしれません。しかし、おふたりとも子どもの頃からの持病ではなく、成人をしてから発症しています。実は、大人のぜんそくは過去30年で約3倍にも増加しているといわれています。

「大人のぜんそく」って?


成人している大人が発症するぜんそくのことを「成人気管支喘息」と呼びます。なかには40歳を過ぎてから発症するケースもあり、まれに80代になってから発症する人もいます。成人気管支喘息は、風邪やストレス、車の排気ガスや喫煙、香水などの匂いが誘因と考えられており、そのほとんどはアレルギー反応を特定できない非アトピー型です。

子どもの頃にぜんそくにかかったことがある「小児喘息」の場合は、大人になってから再発するケースは少ないといわれています。成人気管支喘息のうち、小児喘息をわずらっていた人は3〜4%ほどしかいません。「自分はぜんそくではない」と思い込むのはとても危険です。

どんな症状が起こるの?


喘息は、なんらかの炎症によって気管支が狭くなる病気です。発作が起こると、気道の粘膜が過敏に反応して炎症を起こし、むくんだり狭くなったりします。痰がたくさん分泌されるため、気道をふさいで呼吸困難に陥ることもあります。

・呼吸をするたびにゼーゼー、ヒューヒューという音がする
・何もしない状態でも突然激しく咳き込む
・就寝後や明け方にも咳き込み目が覚める
・背中が張る
・動悸や息切れ

これらの症状がぜんそくの特徴です。そのまま放っておくと慢性化する可能性もあります。発作を起こした場合、治療をすれば数分から数時間でおさまる場合が多いですが、長く続くと危険な状態に陥り、死に至る場合もあります。

初期症状は風邪と似ている


ぜんそくの症状が初期の場合は、咳や痰、鼻水が出るなど風邪と同じ症状が出ます。そのため、ぜんそくだと気づかずに放っておき、突然発作に見舞われることも少なくありません。就寝後から朝方にかけて咳き込み、ゼーゼー、ヒューヒューなどの音がする咳があれば、ぜんそくの可能性が高いでしょう。

咳や痰が長引く場合は「ただの風邪」とあなどらず、早めに病院で診察してもらう必要があります。

監修:坂本忍(医師)