アドルフ・ヒトラー

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第二次世界大戦終結から70年目にあたる今年、ナチス・ドイツの党首で独裁者として恐れられたアドルフ・ヒトラーの生涯を描くミニシリーズ『Hitler(仮題)』を、仏TF1が製作することがわかった。

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米Deadlineによると、10話編成となるこのミニシリーズは、歴史家トーマス・ウェーバーの著書「Hitler's First War」をベースに、歴史上最も忌み嫌われた政治家の知られざる一面にスポットを当てていくという。本書の1章ごとに1エピソードが製作され、第一次世界大戦後に政治家になり、強大な権力を手にしていく姿から、第二次世界大戦中に行ったホロコーストまでが描かれるという。

また、ヒトラーの人格を描くにあたり、徹底的な検証を行ったそうで、なぜヒトラーがあのような独裁者となっていったのかを丁寧に表現していくという。

製作にも携わるウェーバーは、「我々は、ナチスが行った政策やプロパガンダについては知っていますが、ヒトラー自身が実際どのような人物だったのかは、あまり理解していません。この番組は、ヒトラーはいったい何者であったのか、というテーマを掘り下げていきます。一人の人間として共感することは、同情を引き起こしてしまう可能性があります。その危険性は十分わかっています。でも、ヒトラーが今でもなお世界で影響を及ぼしているのなら、そのリスクにチャレンジすることは、とても価値のあることだと思います」とコメントしている。

「過去との勇気ある対決」と、番組の意義を表したウェーバーと製作スタッフ。満を持して仏のテレビ局が手掛ける『Hitler』は、2016年よりドイツで製作開始予定だ。(海外ドラマNAVI)

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