米国の不倫サイト「アシュレイ・マディソン」。〈人生一度。不倫をしましょう。〉をキャッチフレーズに世界中で3800万人の会員を集めるサイトで、一昨年に日本版が開設された。今年8月にはハッキングによる情報流出が騒動となった。ハッカー集団は、「会員の95%は男性」として、「女性会員はサクラばかり」と暴露。カナダでは情報流出を苦に2人が自殺したとも報じられた。

 日本の同サイト登録者は約180万人とされているが、本当に不倫希望の女性はいるのか?それを確かめるため、本誌中年記者が会員となってガチンコの1か月体験レポートを敢行した。

 記者はまず身長、体重、容姿などのプロフィールを登録。サイトに入ると200人ほどの女性のプロフィール写真がランダムに表示される。彼女たちのプロフィール欄には、「何もかも忘れたい」「欲望を満たすためにここにいます」と刺激的な自己紹介文が並ぶ。早速30代派遣社員の女性、20代の主婦など計8人にアプローチ。しかし、待てど暮らせど返答はない。

「やはり不倫したい女性などいないのか……」

 3日が経ち、そう諦めかけたが、一発逆転を狙って相手の趣味に合わせた話を4人に絞って送り続け、プロフィール写真も髪を切って撮り直した。それでも連絡はない。仕事の合間を縫って、こまめに返答のない女性たちへ連絡する日々が続いた。

 すると登録から9日後に初めて「遅くなってごめん」と返信が届く。プロフィールには「見た目はキレイといわれます」と書かれた34歳の主婦・里美(仮名)だ。まずはメッセージのやりとり。彼女は10年ほど前から東京で暮らす既婚者。1年前にサイトを利用し始め、夫のいない日中に会える男性を求めているという。

 数往復のやりとりを交わし、ついに会うことに。登録から18日目のことだった。指定された鶯谷の待ち合わせ場所に現われた里美は、加藤あい似のスレンダー美女。白と紺の清楚なワンピース姿にセミロングの黒髪がよく似合っている。

 興奮を抑えながら、まずは喫茶店に。だが、段々と期待は不安に変わっていく。まず気になったのが彼女の言葉遣いだ。東京暮らしのはずなのに関西弁で「〜やで!」と語調も激しい。さらに「はよ、ホテル行こ」と急かしてくる。おいしい展開だが、逆に「おかしくないか?」と不安になる。

“ひょっとして、美人局(つつもたせ)じゃないか”と焦る心を抑えてホテル街へ向かう。彼女は携帯をいじり、誰かに連絡をしている。ホテル街に入ると里美はスタスタと歩き、「ここや」と古びたラブホテルを指差した。

 記者は「どこか別のホテルにしていいかな」と提案したが、「そんなのダメや!」と受け入れない。そればかりか、無理矢理ホテルに連れ込もうとしてくる。身の危険を感じた記者は、とっさにその場から逃げた。

 考えすぎだったかもしれない……そんな後悔もある。ただ、実際に「出会える」サイトであることはわかった。

※週刊ポスト2015年9月18日号