ジャパン・レディースを制した、田中姿子(写真左)・草野歩組

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 全日本ビーチバレー女子選手権大会(ジャパン・レディース)最終日は8月23日、大阪府泉南郡岬町淡輪・せんなん里海公園ビーチバレー競技場(潮騒ビバレー)で、準決勝、決勝などが行われた。ジャパン・レディースは今年で26回目。北は岩手から南は沖縄まで全国31都府県の代表と大学代表、高校代表、主催者推薦を含む計43チームが、ダブルイリミネーション方式で今年の女王の座を争った。

 決勝は田中姿子・草野歩(ミキハウス)組と長谷川暁子(ミキハウス)・永田唯組。フルセットにもつれる接戦となったが、ベテランの田中・草野組が経験の差を見せ日本代表対決を制した。

 3位には同じく代表の石井美樹(山崎総建)・村上めぐみ(オーイング)組が入った。

 田中(姿)・草野組にとってはどうしても優勝したい大会だった。先週のビーチバレー・ジャパンでは決勝に進みながらも石井・村上組にストレートで完敗。特に狙われた草野はほとんど自らのプレーができなかった。「(先週は)何も考えずにただ打ってしまっていた。だからリベンジとかではなく、頭を使って作戦を立て普通にやれば勝てる。絶対に勝ちたいと思っていた」(草野)。

 石井・村上組とは前日の4回戦で対戦。公言通りストレートで破り、危なげなく決勝まで進んできた。

 決勝の第1セットは長谷川・永田組に先行される。中盤、逆転する場面もあったが18-21でセットを取られてしまった。しかしベテラン組は慌てなかった。「スパイクが決まっていなかっただけ」(田中(姿))「特にイヤだとは思わなかった」(草野)と淡々と第2セットに入っていく。

 十分に作戦を練ったと話す田中(姿)・草野組は、長谷川を狙って攻撃のリズムを崩し、安定しなかった田中のレシーブに対して草野がツーアタックでカバーした。そして第2セットを奪取すると試合の主導権を握った。第3セットは常に先行して進めていたが終盤、長谷川・永田組がサービスも永田のブロックで粘りを見せる。デュースまで持ち込まれたが最後はふいに永田を狙い反撃を止めた。

 代表のトップチーム、西堀・溝江組がワールドツアー参戦で不在の中、田中(姿)・草野組は、同じ代表チームを倒し存在感を示した。田中(姿)・草野組はチームとしては初制覇。草野もジャパン・レディースは初の栄冠だが、田中(姿)は個人として大会最多、6度目の優勝を飾った。

(撮影・取材・文=小崎仁久)

▼ 今年のチャンピオン、田中姿子

個人として6度の優勝は史上最多


▼ 優勝した草野歩

先週の大会では優勝を逃したが、すぐに修正した力は流石


▼ 準優勝の長谷川暁子(左)と永田唯(右)

優勝まであと一歩だったが最後は経験の差が出たか


▼ 準優勝の長谷川暁子

準決勝では一度も勝ったことがなかった石井・村上組に勝利。今季最高の出来だった


▼ 3位に入った石井美樹

ビーチバレー・ジャパンでは初優勝を飾ったが今回は3位


▼ 3位の村上めぐみ

今大会は、風の吹かないスタジアム会場。ディフェンス力を十分に発揮できなかった


▼ 4位の松山紘子(左)と松村美由紀(右)

ベスト4に入ったのは初めて



試合結果は次の通り。

■準決勝
長谷川/永田2 (18-21,21-15,15-12)1 石井/村上
田中(姿)/草野2 (21-15,21-10)0 松山/松村

■3位決定戦
石井/村上2 (23-21,21-12)0 松山/松村

■女子決勝
長谷川/永田1 (21-18,18-21,14-16)2 田中(姿)/草野