インターネットの自由を守るためGoogle ideasが取り組む活動報告が公開される
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インターネット上の表現を検閲したり、特定のサイトをサイバー攻撃することで機能不全に追い込んだりと、公権力に不都合な存在を抹殺しようと、政府機関が不当な攻撃を加えるという状況が一部の国や地域で常態化しています。このような不当な公権力の介入へ対抗できるようにと、Googleが技術的なアイデアを出し、実際に技術・サービスを提供することで、インターネット上の表現の自由、行動の自由を確保する活動を行っています。その活動成果がニューヨークに拠点を置くシンクタンクGoogle ideasから発表されています。
https://www.google.com/ideas/products/
◆Project Shield
インターネットでは誰もが自由に意見を表明でき、それを誰もが自由に閲覧できます。このようなインターネットの持つ「表現の自由」の力は、時として公権力に不都合な存在として、攻撃の対象になり得ます。例えば、公権力側にとって都合の悪い情報を発信する特定のサイトを、DoS攻撃と呼ばれるネットワーク攻撃によって機能不全に追い込むという不当な公権力の行使が世界中で起こっているとのこと。
2014年のナイジェリアの選挙期間中に発生したDDoS攻撃を可視化するとこんな感じ。
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これらの不当な公権力の行使に対抗できるように設計されたのが「Project Shield」です。例えば、独立に関する住民投票を執り行う機関や人権保護活動を行う組織は人的・物的リソースが限られているため、DDoS攻撃に対処できないことも多く、攻撃を受けることで言論を握りつぶされることがあり得ます。そこで、Googleはreverse proxyと呼ばれる技術を使ってサーバーの負荷を軽減して不当な攻撃から特定のサイトを防御できるサービス「Shield」を提供しているとのこと。
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◆Digital Attack Map
24時間常時世界のどこかで発生しているサイバー攻撃を地図上に表示して可視化できるのが「Digital Attack Map」です。
これは、フランスの週刊新聞シャルリー・エブド紙が掲載した風刺画に対して、過激派が世界中のコンピューターを遠隔操作してDDoS攻撃した様子を現したイメージ。トレンドマイクロの調査によると。DDoS攻撃用のネットワークが約150ドル(約1万8000円)からレンタルできるアンダーグラウンドな市場が存在するとのこと。
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2014年に行われた香港の反政府デモ「雨傘運動」の時のDigital Attack Mapはこんな感じ。中国国内からだけではなく、ボット化された世界中のマシンからアタックが行われている様子がよく分かります。
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DDoS攻撃で使われる生データは複雑で解読しづらいために、攻撃の全貌をすぐさま見通すことは非常に困難です。そこで、コンピュータサイエンスにたけていない一般人にも容易に攻撃の存在を理解できるようにビジュアル化したのがDigital Attack Mapというわけです。Digital Attack Mapは、Arbor NetworksのATLASから提供されるデータを用いているとのこと。
◆Password Alert
パスワードを盗み出すことを目的とするフィッシングメールが世界中を飛び交い、ジャーナリストや人権擁護活動家など特定のターゲットに狙いを定めた攻撃が実行されています。パスワードが盗まれた場合、情報が盗み出されたり、無断でメールを送信されたりするという直接的な被害が起こるのはもちろんですが、「もしかすると情報のやりとりを監視されているかもしれない」という疑念を抱かせるだけで、活動を躊躇させる萎縮効果を引き起こすため、パスワードの保護は非常に重要だとGoogleは指摘しています。
そこで、Googleは偽のフィッシングサイトなどGoogle純正サービスではないサービスに、Googleアカウントのパスワードと同一のパスワードを入力した場合に警告を表示する機能をChromeに搭載。
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Chromeの拡張機能「Password Alert」としてすでにリリース済み。
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パスワードの変更を促すことで、パスワード漏洩を予防しています。
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このChrome拡張機能の使い方は以下の記事で確認できます。
Googleサービスになりすますフィッシング詐欺サイトからパスワード盗難を予防できる公式Chrome拡張機能「パスワード アラート」 - GIGAZINE
![](http://i.gzn.jp/img/2015/04/30/password-alert-chrome-extension/00-top_m.png)
Google ideasではこれらの機能以外にも、国際的な犯罪組織の活動やマネーロンダリングの痕跡を探し出す情報を検索できる「Investigative Dashboard」や、小型の銃器や爆薬の移動経路を調べられる「Small Arms & Ammunition Data」など、これまで取り組んできたその他の活動についても経過報告を行っています。