17日、東京・立川で行われた「意欲的農業者支援セミナー」で講演を行う日本アグリビジネスセンターの土居龍一事務局長。(撮影:久保田真理)

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東京都の農業従事者は、約6万6000人(2000年現在)――。都は企業マインドを持った農業経営者を育成しようと、今年初めて「意欲的農業者支援セミナー」を開講する。その開講式と講演会が17日、立川市にある農業振興事務所で行われ、都内で農業を営む34歳から64歳までの14人(女性2人を含む)が参加した。

 講演会では、同セミナーのコーディネーターを務める日本アグリビジネスセンター(東京都千代田区、魚津龍一会長)の土居龍一事務局長が、今後の農業のあり方について話した。農業で生計を立てるには、農産物の生産から販売までを手掛ける「アグリビジネス」への転換が必須で、特に販売対策や資金調達に力を入れた経営戦略が必要だという。

 大分県でみつばの栽培を行っている農家の事例を挙げ、「きちんと生産管理をして、出荷量が少ないときに大量に出荷できれば、単価をアップさせることができる。そのためには、いつ、何をして、どうなったかを細かく記録することが大事」とアグリビジネスに転換するためのコツなどを紹介した。また、土居事務局長は、都市農業は地方の農業とは違うという経営理念を持って取り組んで欲しいと参加者にエールを送った。

 同セミナーは全7回で、都内の優良な事例を視察するほか、海外研修か他県の事例研究を選択する内容になっている。研修をもとに、年間所得を2割アップさせる中期的な経営計画を立て、来年10月の発表を目指す。【了】