5日、東京駅構内に特設されたステージで、第3のビールをアッピールする荒蒔康一 郎キリンビール社長とタレントの山口智充(右)。(撮影:常井健一)
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キリンビール<2503>は5日、「第3のビール」市場に初参入となる新商品「のどごし<生>」の発売を翌6日に控え、JR東京駅構内で販売促進イベントを開催した。同商品は原料に大豆を使用、酒税法上は「その他の雑酒2(炭酸ガス含有)」に区分される。「第3のビール」市場には、サッポロビール<2501>、サントリーが既に参入済みで、アサヒビール<2502>も今月20日に新商品を投入し、ビール大手4社が出そろう。

 「のどごし<生>」は、初回から160万ケースを出荷、過去5年間の同社新製品の中では最大出荷数となる。同日のイベントで、荒蒔康一郎キリンビール社長は「当社の技術を結集させた」と自信を見せ、今後焦点となる発泡酒との棲み分けについて、「どちらを飲むか、お客様一人ひとりが使い分けている。発泡酒への影響は避けられないが、市場全体の活性化に繋がる可能性もあるので、期待したい」と話した。

 「第3のビール」とは、ビールでも発泡酒でもない低価格のビール風アルコール飲料を指し、原料に麦芽や麦を使用していない。ビールそっくりの味だが、酒税法上は、エンドウ豆を原料にしたサッポロの「ドラフトワン」は「その他の雑酒2」、発泡酒と麦焼酎を組み合わせたサントリーの「スーパーブルー」は「リキュール類」に区分されている。

 また、ビールや発泡酒に比べて税額が低く、350ミリリットル当たりでは、ビールが77.70円、発泡酒が46.98円なのに比べ、「ドラフトワン」は24.20円、「スーパーブルー」は27.78円。この差が、店頭価格と連動し、低価格を実現している。

 「第3のビール」市場は昨年までに、ビール、発泡酒を合わせた市場全体のうち約5%を占める。05年通期の販売数量(計画)は、アサヒが2.9%増、キリン2.1%増、サッポロ21%増、サントリー72%増と軒並み増加を見込み、各社が主力商品として期待を寄せている。【了】