実践してわかった、「糖質制限ダイエット」で絶対にやってはいけないこと3つ

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もはや市民権を獲得したかのように見える糖質制限ダイエット。私も3ヶ月ほどで学生時代の体型を取り戻せました。が、体調を崩した、続かなかった、という話を耳にするケースもあります。

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そこで今回は、“糖質制限ダイエットに失敗する3つのパターン” を紹介します。

■1. カロリー制限はやってはいけない

糖質制限は、エネルギー摂取制限ではありません。これが何よりも重要な事実です。制限するのは糖質だけで、体内に取り入れるエネルギーの量は減らさなくて大丈夫です。

というよりむしろ、減らしてはいけません。

もちろん、もともと1日5食も食べていたり、間食が非常に多かったり、極端に食べ過ぎているケースであれば、適正な食事量に落ち着けることも大切です。が、そうではないなら、食事量を減らさずとも、着実に体重が落ちていきます(落ちない方は、間食を疑ってください)。

なぜ摂取エネルギーを減らさなくても痩せるのかというと、全身の代謝が大幅に改善するからです。

古い栄養学では、体重を減らすためには、たとえば「体重●kgの成人男性なら1600kcal / 日以内に抑えないといけない」などと目安が存在しますが、これは炭水化物を主食として摂取している場合が想定されています。

つまり、インスリンの食事ごとの大量追加分泌によって、体がエネルギー蓄積モードになっており、糖新生もほとんど働かない状態であるからこその、カロリー制限なのです。

糖質さえ制限すれば、代謝を抑制してしまうインスリンの追加分泌が減り、糖新生(これも代謝の一種)が活発に行われるようになるため、通常の量の食事をしていても肥満になることはありません。

代謝が大幅に改善するのにもかかわらず、摂取エネルギーまで制限してしまったら、言うまでもなくエネルギー不足、あるいは栄養失調状態になります。大多数の “摂取エネルギー制限ダイエット” と同じように、疲れやすくなったり、体のあちこちの調子が悪くなったり、と様々な問題が発生する可能性が出てきます。

■2. 野菜中心食はやってはいけない

食べる量を維持すればいいからと言って、野菜ばかりを食べるのも、大きな問題があります。

糖質の栄養素としての役割は、脳の活動エネルギーとなるブドウ糖を供給することです。

糖質の摂取を減らせば、ブドウ糖の外部からの供給が減ることになります。

これは、野菜ではほとんど補えません。たとえば茶碗一杯のご飯分の糖質(50〜60g)をトマトやキャベツに換算したら、1〜2kgに相当します。

足りない分のブドウ糖は、体内で糖新生によって作り出します。脂質をエネルギー源に、タンパク質から合成するのです。つまり、糖質の摂取を減らせば、タンパク質や脂質が今までよりも多く必要となります。

にもかかわらず、タンパク質や脂質の摂取量まで減らせば、どうなってしまうか。ブドウ糖の供給が充分にできずに低血糖になり、倦怠感に見舞われたり、疲れやすくなったりと、様々な問題が発生する可能性が出てきます。

必要なものを摂取していないのだから、当然ですよね。野菜は、腸の調子を維持する目的で、食物繊維を確保するために食べるのが正解だと思われます。

ダイエットという意識があると、肉や、脂っこいものを無意識に避けてしまう方も少なくないと思います。が、糖質制限をするのなら、肉や脂っこいものを避ける必要はありません。むしろ、糖質を減らした分を補う意識で、積極的に食べてください。

■3. 急激かつ極端な糖質制限はやってはいけない

説明してきたとおり、糖質制限をすると、全身の代謝が大幅に改善します。

言ってみれば、炭水化物を主食にしていた長い間、ずっと脇役だった機能が、主役として働く結果になります。

たとえば、寒冷な欧州でプレーするサッカー選手が、急に蒸し暑い外国で試合をしようとしても、体がうまく動いてくれないように、人間の体は環境の変化に順応するまでに、多少の時間がかかります。

糖質制限も似たところがあり、ブドウ糖の供給を(睡眠中以外の)ほとんどすべて外部に頼っていたところで、急に糖質が一切入ってこなくなれば、糖新生が思うように働いてくれない可能性があります。

日常生活では問題なくても、疲れがたまったときや、電車に乗り遅れそうだと急に走ったりしたときに、ふと目眩がするかもしれません。

体が疲れやすくなった、力が入らなくなった、などと感じて、糖質制限を中止してしまうケースは、エネルギー摂取不足と同時に、急激かつ極端に糖質を制限していないか疑う必要があります。

多くの場合、外から糖質が入ってこない状態に体が慣れてしまえば、問題はなくなります。これは、健常者より綿密な糖質制限で治療をしている、たくさんの糖尿病患者さんたちを見れば、事実だと判断してよいでしょう。

また私は、三食とも糖質を主食にしない状態で、どれだけ運動できるのか実験し始めていますが、とりあえず1時間程度のジョギングであれば、何も問題は起きていません。

個人差はもちろんありますが、1週間2週間で急激に制限すれば、体が環境の変化に順応しきれず、様々な問題が発生しやすくなるはずです。最初は1食の制限から始めて、問題がなさそうであれば徐々に制限を増やしていくのをおすすめします。

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