――出演した台湾映画、『光にふれる(原題:逆行飛翔)』について。見どころやエピソードを聞かせてください。

 T:ダンス部の設定がある映画で、最初はコリオグラファーとしてオファーをいただきました。出演者に振付けを教える段階で、ダンス部にはもっと人数が必要だということになり自分も出ることになったんです。ハンデを負いながらも頑張っている方がいる、健康なのが当たり前だと思ってはいけないと教えてくれる素晴らしい映画です。泣きながら見ましたし、友情や家族愛を気付かせてくれます。台湾を始めいろんな国で評価されている映画が、ついに日本にも来たという感覚ですね。出番は多くありませんが、台湾映画デビュー作で心から感動できる作品に巡り会いました。

 A:僕のシーンがもっと長ければうれしかった、と今思います(笑)。静かに展開していく所がこの映画の魅力で、作品が持つリズム。盲目の男性が主役で実話が元になっている部分に、メッセージが込められています。ありがたいことに僕は健康体ですがそれが当然のようになっていて、自分はもっと頑張らなければいけないと感じました。励まされる映画なので、たくさんの方に見ていただきたいです。

 L:リアリティがある作品だと思っています。夢を持っていてもお金がなくて学べないのがヒロインですが、実際にもたくさんいて、自己投影できる感覚になれます。ほかにも現実的なキャラクターが出てきて、私が演じたような子もいますよね(笑)。踊りたい恋愛したいと思って行動する、楽しければいいという現代女子を象徴している役なんです。ある意味幸せなのかもしれません。撮影現場は楽しい雰囲気でした。ヒロイン役のサンドリーナ・ピンナさんは、プロ中のプロと言える女優。風邪をひいているシーンでは、カメラが回っていなくてもそういう声や仕草で、演技を見ていて勉強になりました。そして記者会見の時には、私のような新人にアピールの場を作ってくださるなど、細かい心配りをしてくださいました。サンドリーナさん演じるダンサーを目指す女性と視覚障害を持つ天才ピアニストが、夢に向かっていく姿が描かれている感動的な作品です。ハンデを持つ人たちを助けよう、と考えるきっかけもできるといいなと思います。〜後編に続く〜(取材・文責:饒波貴子)(Asian 4 Frontの詳しい情報は、公式サイト「http://asian4front.com/ja/」にてご確認ください)