日本の対台湾窓口機関である公益財団法人交流協会(通称:日本交流協会)は、台北日本人学校および学校の周辺において20日朝、「殺日本人」と書かれた落書きが発見されたことで、日本交流協会ならびに高雄事務所が警察当局に対し、事件の未然防止や台中・高雄を含む日本人学校周辺や邦人の多く居住する地域の警戒強化を要請した。

  同じような落書きは、日本人学校と交流している現地校やその周辺においても確認されており、台湾の中時電子報は、学生や父兄のあいだに動揺が広がっていると報じた。

  また、日本交流協会はホームページ上で、「事件などに巻き込まれることのないよう周囲の不審者に対して警戒し、安全確保に十分留意するよう」邦人に注意を呼びかけた。

**********

◆解説◆

  公益財団法人交流協会は公式には国交のない中華民国(台湾)との実務関係を処理するための、日本の対台湾窓口機関。認可は外務省と経済産業省。東京都港区に東京本部を置き、台北事務所、高雄事務所などを運営している。

  台湾側の対応窓口は亜東関係協会で、形式的には非政府組織だが、実質的には中華民国外交部(台湾外務省)の所管。同協会は東京都港区内に出先機関として台北中日経済文化代表処を置いている。(編集担当:村山健二)