今週末の日曜日に、J1昇格プレーオフが開催される。出場するのは京都、長崎、徳島、千葉の4チーム。1日の試合の勝者同士が8日の決勝戦に進む。ようやく勝ち取ったプレーオフ出場権。そして一発勝負のトーナメント。勝てば天国、負ければ地獄というストーリーは、非常にスリルがあるし、それぞれのサポーターにとってはたまらないだろうね。

このプレーオフはそうした興行性を醸成することを目的として生まれたシステムであり、その意味ではJリーグの目論見は当たっていることになる。けれどその一方で考えなければならないのは、これがJリーグ全体の底上げに寄与しているか、という点だ。
 
昨年、プレーオフを経てドラマチックにJ1へ昇格した大分は、第32節勝利時点でわずか2勝と、ぶっちぎりの最下位でまたJ2へ戻ることになる。大分だけではない。J2の2位で上がってきた湘南もやはり1年で出戻りだ。今年に限らず、昇格したチームがJ1に適応できずに沈んでいった例は枚挙にいとまがない。家賃の高い田園調布で借地権をもらい、無理して住むことになったけどやっぱりダメだった、というような感じだね。

プレーオフは確かにエキサイティングだが、根本的な改善がなされない限り、瞬間的な打ち上げ花火で終わってしまうね。中央集権的な組織のあり方や、チーム数の精査、分配金の扱われ方……。外側の前に内側の問題点に目を向けるべき、と思うのは僕だけかな。J1の2ステージ制も心配になっちゃうね。

さて、もう一つ。来年W杯で開催されるブラジルから気になるニュースが入ってきた。開幕戦の舞台となるサンパウロのスタジアムで、建設作業中のクレーンが倒壊する大事故があり、死亡者も出たという。

このニュースを受け、本大会は大丈夫なのかといった声が上がっているけど、僕は過剰に心配する必要はないと思っている。南アフリカW杯の時も、あれだけ騒いだのに大きな問題は起きなかった。むしろ窃盗などの犯罪に関しては、安全とされていたドイツ大会のほうが多かったんじゃないか。
 
日本ほど安全で、隅々までオーガナイズされた国は世界に2つとない。日本人的尺度からすれば今回の事故もありえない話だけど、世界を相手にする時は、もう少しおおらかな姿勢でいたいね。デモだなんだと騒がれたコンフェデ杯も無事に開催されたんだから。