2013年シーズンが終わり、我がベイスターズは2007年に大矢監督の下で4位になって以来、6年ぶりの最下位脱出を果たした。本当によかったと思う。これまで蚊帳の外に置かれていたベイスターズが、今年は確実にペナントレースに絡めた。

めでたいことは他にもたくさんある。チームは阪神、中日、東京ヤクルトの3球団に勝ち越し、ビジター戦でも勝ち越しとなった。チーム打率2割6分4厘はジャイアンツと並んでトップ、630得点はリーグ唯一の600点台で、ぶっちぎりのトップだ。

個人成績でもブランコが打率、打点の二冠王を獲得し、梶谷隆幸が規定打席には達しなかったものの、打率3割4分6厘、16本塁打と大ブレイクした。中村紀洋とラミレスも2000本安打を達成した。

もちろん惜しかったこともある。1ゲーム差で中日をとらえることができなかった。ほんの少し流れが変わっていれば、4位になることができた。三浦大輔もあと1勝で二桁勝利を獲得できた。ただ、ぜいたくを言ってはいけない。昨年までのベイスターズのことを考えれば、今年は大躍進と言ってよいし、来季への期待を大きく膨らませる1年となった。

この結果を受けて、クライマックスシリーズに出場できなければ辞任すると言っていた中畑清監督も、球団からの強い慰留で来季も采配をふるうことになった。来季の中畑監督というのは、最善の選択だと思う。チームを明るくしたし、ベイスターズがマスコミで取り上げられる機会も増やした。ベイスターズの観客動員数は今季143万人で、昨年の117万人を大きく上回った。

ただ、来季に向けてとても心配なことがある。コーチ陣の大幅刷新だ。高木豊チーフ兼打撃コーチ、波留敏夫打撃コーチと球団は再契約しないことが明らかになった。また、山下大輔二軍監督が退任、高木由一二軍チーフ打撃コーチ、中根仁二軍外野守備走塁コーチも退団する。これまでのベイスターズを支えてきた選手たちが続々とベイスターズのユニフォームを脱いでしまうのだ。

私はあえて言いたい。今シーズンはフロントも含めて本当によく戦った。素晴らしいと思う。しかし、ベイスターズの伝統や文化を捨てるのはぜったいに止めて欲しい。私にとってベイスターズの順位よりも、ベイスターズの伸び伸びした野球文化のほうがずっと大切なのだ。

球団には、長期構想として、順位と文化の両立ができるベンチの体制を考えて欲しい。数年先に中畑監督が退任することになったとき、私がぜひベイスターズに招いて欲しい指導者がいる。それが田代富雄だ。その話は、来月詳しく書きたいと思う。