マイクロソフト、Android携帯にWindows Phone OSを追加すべくHTCと交渉?(Bloomberg)

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日本では約2年前の au IS12T を最初で最後に系譜が途絶えている Windows Phone の話題。 Bloomberg では匿名の関係筋から得た証言として、マイクロソフトが HTC に対し、Androidスマートフォンに Windows Phone 8 をインストール可能にするよう交渉中と伝えています。

HTCといえば、かつての Windows Mobile 時代に多数の人気機種で一流メーカーとしての地位を確立し、2010年に完全新規OSとして登場した Windows Phone 7 でも初期10機種のうち4機種を供給するなど、マイクロソフトにとって有力な携帯端末ハードウェアパートナーでした。

しかし現在は新機種について発表・予告がないばかりか、今後も Windows Phone 事業を継続するかどうかについても明確な立場を示していません。


リンク先の Bloomberg が匿名の関係筋から得たとして伝えるのは、マイクロソフトの OS Engineering Group 責任者 Terry Myerson 氏が先月HTCに対して、AndroidスマートフォンへオプションとしてWindows Phone (OS) をインストールできるよう要請したという証言。

Myerson 氏はHTCに対して見返りとしてライセンス費用の引き下げもしくは無料化を提案したとされていますが、両社の話し合いは(まだ)本格的なものではなく、決定事項はないとされています。

マイクロソフトのExecutive Vice President のひとり Terry Myerson 氏といえば、先日マイクロソフトが実施した大規模な組織再編に際して、Windows だけでなく Windows Phone や Xbox なども含むマイクロソフト全体のOSビジネスを統括する Operating Systems Engineering Group の責任者に就任した人物です。

「情報筋」のひとりによれば、Myerson 氏は今月にもHTCの本社がある台湾へ飛び、今回の提案について交渉する予定とされています。

今回の「サブOSとしてWindows Phone」提案が技術的にどのようなものだったのか、たとえばデュアルブートや何らかの方法で併存するのか、あるいは「Androidを消去してWindows Phone 8として再セットアップ」の方法を用意するのか etc については、詳しい情報がありません。


「見返りとしてOSライセンス費用の値引きまたは無償提供」については、そもそもWindows Phone オプションが誰にとってどこまで魅力的なのか、HTC側の労力に見合うのか etc と気になります。一方でマイクロソフトは、自社製品ではない無償OSの Android についても、自社の特許を使用しているとして多くの端末メーカーとライセンス契約を結んで端末ごとに利益を得ています。その気になれば、Windows Phoneオプションの追加で Androidスマートフォンのライセンス費用が安くなるような条件もあり得るかもしれません。

マイクロソフトもHTCも、この件については現時点で公式のステートメントを出していません。マイクロソフトの努力でHTCほかの端末メーカーがサブOSの追加を容易にすることで、うっかり CyanogenMod が追い風を受けるような展開に期待したいところです。