IPOは当たらないものだと諦めてはいないだろうか? 少額投資のサラリーマン投資家がIPOゲット術を大公開!


IPOゲットのポイントは日々の努力と運。

「2006年に30万円を元手にIPO投資をスタート。私用に使った400万円を含め、資産は3000万円程度まで膨れ上がりました」というのは、サラリーマン投資家のキムさんだ。

一般的に、IPOは大口投資家の専売特許と思われているが、少額資金でスタートしたキムさんはどうやって手に入れたのだろうか?

「IPOを公開価格でゲットするには、当該銘柄の主幹事証券からの申し込みが基本です。資金が余っていれば、副幹事や平幹事となっている証券会社に応募する努力が必要。対面営業の証券会社でも裁量配分を受けたことがありますが、資金があまりないのでお付き合い投資はかなり厳しいと思いました」(キムさん)

大きな倍率をくぐり抜け、みごとIPO株を手に入れたキムさんを「ツイているだけ」と考えるようでは、いつまでたっても?お宝IPO株〞をゲットすることはできない。IPO株を取り扱う証券会社を調べ上げ、すべてに口座を開設、IPOの情報を日々チェックすることが大切だ。

では、キムさんが最も当たると思う証券会社はどこか?

キムさんのイチオシはSMBC日興証券とマネックス証券

「証券会社ごとに配分比率が異なるのですが、透明性が高いのはSMBC日興証券ではないかと思います。もう1社は、完全抽選を行なっているマネックス証券。ここでは人気となったペプチドリームを含め、今年に入って2回当選しています」(キムさん)

ペプチドリームといえば、初値で3倍以上をつけたバイオ関連銘柄として記憶に新しい。初値で売却することで約54万円の儲けとなった「お宝銘柄」だ。とはいえ、今年に入ってから24連勝のIPOだが、なかにはサントリー食品インターナショナルのように1%程度しか上昇しなかった銘柄もある。

「IPOだからといって、すべてに申し込んでいるわけではありません。将来性があり、今後も利益を出せそうな企業を厳選しています。特に東証マザーズ上場で、情報通信などを手がけるネット関連やeコマース関連に注目しています。大型上場ではなく、調達資金が少ない企業の株のほうが、高騰する可能性が大きいようです」(キムさん)

運よくIPOをゲットした後は、潔く初値で売却することがキムさんのルールだ。「IPO投資では、ほとんどが初値形成の段階で利益が乗っているため初値売りが鉄則。その後の相場を気にする必要がないため、サラリーマンでもストレスなく投資することができます」(キムさん)

ちなみに、キムさんにとって今年最もおいしかったIPOはネットオークションを手がけるオークファンだそうだ。26万円の投資金額が初値で104万8000円になり、わずか数日で78万8000円の儲けになったという。

一方、どのIPOが儲かりそうかの判断は、ネットのIPOサイトなどで研究をしているそうだ。なかには有料のサイトも存在するが、無料のサイトでもある程度の感触はつかめるという。「私独自の分析や予想は、運営するサイト『IPO投資なら、キムさんのIPO日記』に公開していますので、一度、立ち寄ってみてください」とキムさん。

さて、人気のIPO株もひとたび上場すれば、ただの株、誰でも買うことができる。一般的に「セカンダリー投資」と呼ばれるものだ。

「私は日中働いているサラリーマンなので、セカンダリー投資は原則行ないません。ただ、上場後1カ月程度経過すると、過熱していた株価も落ち着いてきます。そこで初値よりも下落しているようなら、買いを入れることもまれにありますが……。ただし、その場合でも企業業績などは必ずチェックするようにしています」(キムさん)