日本中が56年ぶりの東京五輪開催に沸きあがる中で、一人置いてきぼりを食らったのがプロ野球だ。
 東京五輪が開催される2020年の7月24日から8月9日までの17日間、プロ野球は傍観者に追いやられる結果となった。
 「五輪開催国は予選免除ですからサッカーをはじめ、バレーボール、バスケットボール、ハンドボール、テニス、ラグビー、卓球などすべての団体球技が出場できる。ゴルフも加わる。人気の松山英樹、石川遼が日の丸を背負って団体戦に出れば、とんでもない視聴率になるのは確実です。五輪準備には会場の新設・改修費を含め、4500億円もの巨費がつぎ込まれるのですから、スポーツ全般が盛り上がる。その輪に入れないプロ野球は一気にファン離れが進む可能性がある」(スポーツ紙デスク)

 それだけでも頭が痛いのに、本誌が入手した情報によれば、球界はさらに驚くような難問に遭遇していることがわかった。次期コミッショナー問題である。
 日本プロ野球機構(NPB)は、統一球を飛びやすく変更しながら公表しなかった問題を調査する第三者委員会の最終報告を、9月19日に開催される臨時オーナー会議で受けることを決めている。これを受けて加藤良三コミッショナーの処遇も決まるが、続投の可能性は皆無に等しい。
 「オーナー会議の時期が悪すぎた。ヤクルトのバレンティンが王貞治氏が持つシーズン最多本塁打記録55本を更新する時期と重なり、『飛ぶボール問題』のA級戦犯ともいえる加藤コミッショナーを擁護する声はない。唯一の擁護者だった巨人の渡邊恒雄球団会長でさえ、『世界の王』の金看板が消滅してしまい、すこぶる機嫌が悪い。来年7月の任期満了を待たずに解任されるのは間違いない」(某球団フロント幹部)

 そこで後任として確実視されているのが、加藤コミッショナーの被害者ともいえる王貞治ソフトバンク球団会長だという。
 ここにきて渡邊会長は、次期コミッショナー問題について「いるじゃないか。人格、識見、人柄とこれ以上の人はいないという人がひとり」と取材陣に語り、「世界の…ですか?」の問いには「そういうこった」と話している。
 加藤コミッショナーについては「こっちから頼んだ以上、任期中に辞めさせるのは失礼」と話していることから、コミッショナーの就任時期を1月1日付に規則変更することで、加藤コミッショナーは12月末に早期勇退。これが落とし所だという。