なぜiPhoneにはQRコード読み取り機能がないの? - いまさら聞けないiPhoneのなぜ

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説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「なぜiPhoneにはQRコード読み取り機能がないの?」という質問に答えます。

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iPhoneには、Appleが開発したシステムソフトウェア「iOS」と、同じくAppleが開発したいくつかのアプリが収録されています。これらのセットがスマートフォンとしての使い勝手を決めており、新機能に関する報道もiOSと標準装備アプリの両方をカバーしています。

ただし、それがすべてではありません。Appleは国・地域ごとに製品をカスタマイズせず、世界統一モデル(グローバルモデル)を展開する企業ですから、世界中の誰もが必要としている/ニーズが高い/汎用性のある機能でなければ採用しない傾向があります。標準装備しない機能については、アプリを追加しおのおの対応してほしい、というスタンスです。それはAppleにかぎらず、他のスマートフォンメーカーも同様です。

前置きが長くなりましたが、iPhone(iOS)にQRコード読み取り機能が搭載されない理由もそこにあります。少なくとも現行のiPhoneが企画設計された段階において、世界中の誰からも必要とされる機能ではない、という判断が下されたのでしょう。

QRコードは、わずかな空間に大量の情報を持たせることができる、いわばバーコードの進化形です。カメラやスキャナなどの光学機器で読み取り、それをソフトウェアで処理すれば情報を読み取ることができます。実際、カメラを内蔵するiPhoneの場合、アプリを追加すれば対応できます。

もっとも、未来永劫QRコードがiPhone(iOS)に採用されないと決まったわけではありません。日本生まれの技術ですから、以前は海外で見かけることが少なかったものの、ここ数年で認知度が急速に高まっているそうです。iOS 6の新機能「Passbook」も、QRコードの処理をサポートしています。スマートフォンとの相性がいい技術ですから、将来的にはiOS標準の機能として採用される可能性もゼロではありません。