20130504INAC戦レッズレディースのなでしこリーグ・INAC戦です。
レッズレディースは、開幕戦の高槻に快勝したものの、その後5連敗。中堅・ベテランの大量離脱と監督交代によって一から作り直したチームとはいえ、非常に苦しいシーズンになってしまいました。そしてこの日は優勝候補の筆頭のINAC戦でした。

ある程度予想はしてたとはいえ、立ち上がりから押し込まれるレッズレディース。それでも辛抱強く耐えていましたが、攻撃の方はさっぱり。前半の半ば過ぎから多少はボールを持てるようになりましたが、前半のレッズレディースのシュートは、わずか2本。

ただ、INACの方も高瀬とかをベンチに置いたせいか、攻撃がイマイチ迫力不足でしたね。

後半になっても同じような展開で推移しましたが、INACのサイドチェンジパスがレッズレディースの右SBの外側で張っていた田中陽子に通り、そこからエリアに内にドリブルで仕掛けられて岸川が田中陽子を倒したとしてPK、岸川は1発退場となりました。

INACを相手に1点ビハインド、しかも数的不利とくれば勝利を得る事は絶望的・・・と思っちゃいますが、レッズレディースは決して諦めませんでした。INACの攻撃を耐えて、チャンスを伺いました。
終了間際にはカウンターからこの試合最大のチャンスを作りましたが、その後逆にカウンターを受けて川澄のゴールを許して万事休す。アディショナルタイムにも更に失点しましたが、これは集中力が切れたものでしょう。

レッズレディースの布陣は、4ー2ー3ー1。後藤キャプテンの1トップで、トップ下に柴田華絵。柴田選手が最も生きる布陣だとは思いますが、ただINACを相手にすると4ー2ー3ー1の3の両サイドが守備に奔走せざるを得ず、4ー4ー1ー1のような形になってしまって、柴田選手や後藤選手がボールを持っても、INACの選手にすぐに囲まれてしまうので、なかなか攻撃できませんでした。
時折、後藤選手が相手DFラインの裏を取ってチャンスになりかけるのですが、後藤選手はフィジカルで相手と競り合うのは得意ですが、スピードが無いために決定機にはなりません。レッズレディースとしては、後藤選手がポストプレーをして、4ー2ー3ー1の3のところの選手が裏へ飛び出すような形が理想かと思いますが、押し込まれた状態では後藤選手が孤立するだけでした。

印象としては、あのPKが無かったとしても勝つのはなかなか難しかったでしょうね。押し込まれてレッズレディースのチャンスはほとんど無かったですから。耐えて耐えて、千載一遇のチャンスを物にするという形でしか勝機は無かったでしょう。

個人個人の力はやっぱりINACの方が上だと思います。パススピードやボールを持った時の(持つ前の)判断のスピードが違います。レッズレディースの選手がボールを持っても直ぐにINACの選手に囲まれますから、判断を速くして壁パスなどを使って攻略するとか、2トップにして後藤さんを孤立させないといったやり方がある思うんですが、押し込まれちゃうと前線の人数が足りなくなるので難しいですね。

明るい材料と言えば、左SBを務めた和田選手ですかね。川澄とマッチアップしていましたが、かなり抑えていたと思います。(抜かれることもあったけど)ちょっとは自身を持っていいんじゃないでしょうか。
それと、一人退場となって厳しい状況に追い込まれながらも必死に頑張って惜しいチャンスも作った選手たちですね。この頑張りがあれば、現状を立て直すことも不可能でないと思います。

この試合の結果、レッズレディースは6連敗、順位は10チーム中9位という、かつてない危機に陥ってしまいました。根本的な原因は、やはり中堅・ベテランが大量離脱したことにあると思うんですが、今となってはそんな事言っても始まりません。怪我人も出ていて厳しいところですが、今いる選手で戦うしかありません。

残念ながら、今季の目標は「残留」とせざるを得ないと思います。若い選手が多いだけにメンタル面も心配ですが、今は監督を信じてサポートしましょう。