UEFAからラツィオに厳罰処分が下された。2試合の無観客処分だ。ラツィオは異議を申し立てると明らかにしている。だがいずれにしても、3月14日に行われるシュトゥットガルトとのヨーロッパリーグ(EL)決勝トーナメント2回戦セカンドレグは、観客なしで行われるだろう。

異議が認められても、続くUEFA主催大会での処分が取り消されるだけと見られる。なお、ラツィオには4万ユーロ(約480万円)の罰金処分も科されている。

ラツィオが処分対象となったのは、今季これが4度目だった。理由は常に同じだ。サポーターによる人種差別行為である。大きな問題だ。先週行われたボルシア・メンヒェングラッドバッハとのEL決勝トーナメント1回戦セカンドレグでは、UEFAから派遣された2名が、ラツィアーレが陣取るクルヴァ・ノルドの前にいた。そして、300名のサポーターによるナチ式敬礼が標的となったのだ。

ラツィオはトッテナムサポーターに対する襲撃事件で、1試合の無観客試合処分が執行猶予状態にあった。クラブは軍隊式の敬礼だと主張したようだが、無駄だった。そもそも、過去の例から、UEFAはラツィオサポーターを厳しくチェックしている。

ラツィオが欧州の舞台で無観客試合処分を科されたのは、これが初めてではない。2005年7月、インタートトカップのタンペレ戦も観客なしで行われた。当時のUEFAカップのパルチザン・ベオグラード戦で、同クラブの一部選手に対し、人種差別的ブーイングをしていたことが原因だ。

ラツィオのクラウディオ・ロティート会長は、『Rai』のインタビューで、このように話している。

「信じられない。でっち上げだ。異議を申し立てる。それは確実だ。現実と比較して異常な措置だよ。こういったことが起きることを阻止するために、ラツィオはやるべきこと、やれたことをすべてやった」

「クラブにとって深刻な経済的損害となり、サポーターがこのようなイベントに参加できなくなるような、1試合あるいはそれ以上の無観客処分を受けるなど、バカげていると思う。少数の過ちによって、クラブとして罰せられることはできないはずだ。問題はUEFAが厳しいことではない。我々が損害を被ることになる罰を行使することだ」

「繰り返す。こういったことを避けるために私がどれだけのことをやってきて、国内ではほかの誰も得られなかった結果を残しているか、誰もが知っているはずだ。自らの希望で自発的に動く犯罪者のサポーターと、市民的なサポーターを区別する必要がある。個人の過ちによってクラブが代償を払うなんて、あり得ないことだ」

いずれにしても、ラツィオは異議を申し立てるだろう。ラツィオ側は、ローマ当局も人種差別エピソードやナチ式敬礼を把握していないと主張している。UEFAに対する異議の中に、ローマ当局の立場も織り込まれるだろう。