ビートたけしと石橋貴明との初タッグは失敗か?
 2人が組み10月21日からスタートさせたTBS系バラエティー『日曜ゴールデンで何やってんだテレビ』の初回視聴率は8.8%(関東地区)とふるわなかった。

 原因はさまざま言われている。視聴者が食いつかなかったのは、ハナから石橋の「強者へりくだり・弱者いじめ」というキャラが露骨に出ていたからだろう。
 石橋はたけしの前だと直立不動になり、愛想をふりまいてばかり。冒頭から「たけしさんは、オレらにとって王さん、長島さんなわけだよ。投げる球がないよ」とゴマをすった。
 視聴者にとっては出演者のぶつかり合いが見ものであり、これではバラエティーの体を成していない。

 ただ、今回は視聴率はとれなくてもたけしはどん欲に仕事を増やしている。
 昨年4月から、NHKBSプレミアムでアート系番組『たけしアート☆ビート』が始まり、“全テレビ局冠番組制覇”を達成した。

 番組の打ち合わせで「TBSのエライ人がたくさん挨拶にきた」と石橋が偉そうに言うと、たけしはこう切り返した。
 「最近ね、TBSは人がコロコロ変わるからわからないよ。4〜5年で編成局長が4〜5人代わった。だから特定のプロデューサーと飲まない方がいいと思っている。あの仲間だなんて言われると、その人が異動になったときつらいからな」
 こうしたたけしの全方位外交スタンスに、多くの仕事が来る理由が隠されているといえよう。

 さらに、たけしは「今、力を持っている幹部、その下でもこれから伸びて行きそうな幹部と分け隔てなく並行に付き合え」とも言う。
 だから石橋のようなタレントでも、喜んで取り組めるのだろう。
 しかし石橋とのコンビは“芸”よりも“楽屋ネタ優先”。長続きしないだろう。
(編集長・黒川誠一)