昨日のイチローの一本目の本塁打は、4回、高めに入ってくる146km/hの直球を芯でとらえ、二階席まで運んだもの。よく打撃練習で見られるすくいあげる打撃だった。二本目は、7回、低めの146km/hの直球をジャストミートしたものだ。ライナーで右翼最前列に飛び込んだ。

投手はジョシュ・ベケット。この投手からは3本目。かつてのレッドソックスの大エースも、今季は5勝11敗、ERA5.23。見る影もない。1試合2本塁打はイチローのキャリア7度目。

MLBでのイチローの102本の本塁打を一覧で見てみよう。

Ichiro-102HR




2001年4月6日、延長10回にテキサス・レンジャーズ=TEXジェフ・ジマーマンから決勝の2ランを打ったのを皮切りに、12年間で102本。多い数字ではない。

また、本塁打の数が好不調のバロメーターになっているわけではない。ピークと言える2004年はわずか8本塁打しか打っていない。

しかし、イチローは内容のある本塁打を打っている。先頭打者本塁打が37本、サヨナラが1本。

最もカモにしていたのは、ボルチモア・オリオールズなどで活躍したジェイソン・ジョンソン(56勝100敗)だが、複数本塁打を打った投手は、のきなみ各チームのエース級である。対戦数が多いとはいえ、相手投手がイチローを恐れる理由もわかる。レベルの高い本塁打を打っているのだ。

左投手からも20本。これは、対戦比率から考えても左を苦手にしていないことが解る。

対戦数の同地区の球団から多くの本塁打を打っているのは当然だが、ニューヨーク・ヤンキース=NYY戦で9本塁打も目立つ数字だ。やはり大舞台に強いということか。

ヤンキー・スタジアムでは8本目。左打者有利と言われるだけに、これからも増えるかもしれない。

この表、じっくり見ると実に味わい深い。一本一本、結構覚えているものである。

ここ10試合で25打数12安打.480。

本人は不本意かもしれないが、適度に先発を外れながら試合に出ていることで、調子が上向きになっているように思う。自分一人が重責を負うというプレッシャーもなくなったことで、野球を楽しんでいるのではないか。
昨日の時点で、ようやく昨年の打率に追いついた。この調子で3割めざして盛り返してほしい。