■数字が語る、本山雅志という男の凄さ

<脅威の90分間辺りの得点率>
 昨日33歳の誕生日を迎えた、鹿島が誇る、日本屈指の司令塔本山雅志は、開幕戦のベガルタ仙台戦こそ、スタメン出場したものの、その試合では『違い』を生み出す事が出来ず、その後はコンディションの問題もあり、リーグ戦では途中出場が中心となっています。しかし、限られた時間の中で残している成績は『素晴らしい』の一言に尽きます。

 今シーズン初ゴールは、ガンバ大阪戦で記録しました。ダイヤモンド型中盤のトップ下として、途中出場した本山は、大迫の落としを受けて、ダイレクトでペナルティーエリア外からのミドルシュートを叩き込みます。大迫の落としは、少し流れましたが、上手く相手DFの日本代表今野との間合いを図り、股の下を通す、狙い済ましたシュートをゴール左隅に決めます。
 ダイヤモンド型布陣では、中盤の選手の守備時の横へのスライドが大きい事が負担となっておりましたが、自身がダイヤモンド型の頂点から少し下がった位置で守備に加わる事で、後ろの選手の負担を軽減するお手本の様なプレーを示しました。

 2ゴール目は、コンサドーレ札幌戦です。小笠原のスルーパスに抜け出した興梠に合わせて、タイミングよく空いたスペースに顔を出し、興梠の絶妙な落としを受けて、無人のゴールにボールを蹴りこみました。この試合では、大量点を取ったチームの流れに乗り遅れる事なく、その他にも絶妙なトラップから、ゴールのチャンスを迎える等、最後まで貪欲にゴールを目指しました。

 3ゴール目は、先日の名古屋グランパス戦です。大迫の落としを受けた本山は相手DFの闘莉王と対峙。本山はボールを軽く左に持ち出して、左足を振り抜き、ゴール右隅を射抜きます。日本を代表するCBである闘莉王を軽くいなして、日本を代表するGKである楢崎の手の届かないところにシュートを決める技術は、全く錆付いておりません。むしろクリスタルの輝きは、その光を増しております。

 今季、遠藤の台頭とドゥトラの加入、そして自身のコンディションの問題で、途中出場が中心の本山の出場時間は合計で153分に留まります。そのため、90分辺りの得点率は、脅威の1.765(スタメンフル出場した場合、1試合辺り1.765点取る計算)です。また、シュートも5本中3本と高確率でシュートを決めており、決定率は6割とかなり高いです。先日の名古屋戦では、本山が入ると、チームのリズムが一変しましたし、あわや決勝点という惜しいスルーパスを興梠へ配給しました。ベンチの切り札としても、十分な活躍をしてくれておりますが、私は試合の頭から起用して、試合の頭から主導権を握る戦い方を目指して欲しいと思います。J1でのセレッソ大阪戦や、ナビスコカップでの横浜FM戦を見ても、ドゥトラや遠藤といったドリブラーは、途中出場で相手が疲れてスペースがある時間帯の方が、その持ち味を更に発揮できると思いますし。背番号10がピッチで躍動する姿をもっともっと観たいですね!

 ちなみに、90分辺りの得点率第2位には、神戸に移籍した田代有三が付けています(渡邊千真と同率2位で1試合辺り0.891)。昨年同様、出場さえすれば、確実に結果を残せる選手なので、コンディションを整えて、ゴールを量産して欲しいです。

<ナビスコカップでも輝きを放つ>
 スタメンで出場する機会もあるナビスコカップでも、本山はその輝きを放っています。ナビスコカップ横浜FM戦では、本当に久しぶりのフル出場を果たしましたが、ジュニーニョの走りこむ位置に、正確に届けたダイレクトのスルーパスには、鳥肌が立ちました。ジュニーニョがその後、素晴らしいシュートを叩き込んだ事もあり、このゴールは、今季のベストゴールの一つだと思います。

 先日の、グループリーグ突破を大きく引き寄せたアルビレックス新潟戦の勝利も、本山の素晴らしいクロスが決勝点を生み出しました。西のスローインを遠藤がダイレクトで前線に落とし、それを受けた本山もダイレクトで正確なクロスを中央の大迫へ供給。ダイレクトパスが続いた事により、相手DFのマークにもずれが生じ、中央の大迫はゴールから遠い位置ながらも強いヘディングを放つ事が出来、見事なゴール。これにより、予選突破を確定させました。

 ナビスコカップでは、3試合に出場(うち2試合にスタメン出場)。167分の出場で、アシストは2つ挙げており、こちらも90分辺りのアシスト数は1.078!リーグ戦同様、ナビスコカップでも素晴らしい数字を残しております。特に、スタメン出場した横浜FM戦は素晴らしい出来でしたので、どの選手と組んでも、その選手の持ち味を最大限に引き出す事の出来る本山が、スタメンで躍動する姿を、リーグ戦でも観てみたいです。
 本山がスタメンで出場し、ファンタジー溢れるプレーでチームを牽引し、リードを奪って、後半途中からドゥトラor遠藤に交代し、彼らドリブラーが、疲労が残る相手DF陣を切り裂いてリードを広げる、こんな青写真を私は描いております。今週土曜日の柏レイソル戦でも、本山の活躍に期待しています!


 最後まで読んでいただいてありがとうございます。土曜日は柏レイソルとの戦いが控えておりますが、チームの状態は決して悪くないので、前節大宮相手に逆転勝利を収めて、気勢を上げる昨季王者に勝利して、今度こそ、波に乗っていきたいです!スタメン予想は、本日夜に更新する予定です!こちらも、よろしくお願いします!