映画に見る銭湯を訪れてみる。テルマエ・トーキョー

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現在(2012年4月28日より)劇場にて公開されている映画「テルマエ・ロマエ」が好調ヒットしているようです。阿部寛演じる古代ローマ人の風呂建築技師が現代日本の銭湯にタイムスリップする事によって巻き起こる物語、古代ローマの浴場と現代日本の銭湯が軸となるコメディ作品です。
私も試写会で見ましたが、なかなかの秀作でかなり笑える作品に仕上がっていました。
この作品はまさしく浴場を題材にした銭湯映画ともいえる作品(ちょっとオーバー)ですが、東京にあるレトロ銭湯でも撮影がおこなわれたわけです。

今回は街歩きを少し離れて、映画に出て来る銭湯のご紹介をいたしたいと思います。

まずは「テルマエ・ロマエ」。
主人公がローマの浴場からタイムスリップしてやって来る銭湯は北区滝野川にある「稲荷湯」。レトロな和風の建物は昭和5年築。
破風屋根が重なる入口の重厚な造りはなかなかの物、一見の価値があると思います(タイトル写真参照)。


中も番台式、浴室には富士山のペンキ絵、脱衣場には池のある庭園が立派なレトロ銭湯です。
場所は都営三田線の西巣鴨駅から明治通りを西へ。
掘割のバス停あたりを右折して小さな商店街を北へ歩き、しばらく進んで細い路地を右折するとすぐの右手に稲荷湯があります。
立派な銭湯なのですが、立地が狭い路地であるために建物の全景が撮れないのが残念です。



稲荷湯
北区滝野川6-27-14
営業 14:50〜25:30、日曜・祝日は13:50より 
定休 水曜日


次にご紹介するのは大田区南雪谷にある「明神湯」。


堂々の寺社風建築の東京銭湯。
ペンキ絵、坪庭、高い天井など、これぞ東京銭湯といった感じの風呂屋です。

この銭湯は2002年公開のUA、浅野忠信主演の「水の女」という作品に登場しています。
銭湯を舞台に、番台に座る「水」の女と「火」にとりつかれた謎の男が織りなすストーリー。全編にこの銭湯が登場しており、浴室(他の銭湯内での撮影ですが)での幻想的なシーンはなかなか雰囲気があります。
第59回ヴェネツィア国際映画祭批評家週間招待、サンダンス・NHK国際映像作家賞2001受賞作品。
明神湯での撮影は外観と下足スペースのエントランスでの撮影をしたということです。
後の浴室などのシーンは他の廃業する銭湯にて撮影されたということでした。

明神湯
東京都大田区南雪谷5-14-7
営業時間 16:00〜23:30
定休日 5,15,25日(祝日は翌日休)


次は墨田区京島の「曳舟湯」。


ここも立派な東京銭湯。
黒瓦の載った破風屋根の入口、両側に続く板と白壁の塀にも黒瓦が載った昔ながらの銭湯です。
脱衣場の外、濡れ縁の向こうには坪庭があり、水を張った池には魚が泳いでいるのが見えます。
池の傍らには樹が植えられていて、小型の石灯籠も置かれています。
浴室には富士山の絵も。

この銭湯はハリウッドのカーアクション映画「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」という作品に出て来ます。
作品内で同湯が登場するのは僅かな時間ですが、主人公が浴室にいる熊の刺青の男(KONISHIKI)に借金回収のため訪れるシーンで使用されています。
KONISHIKIが大きいので、広い風呂が小さく感じてしまいます(笑)


ところで現在浴室内にある富士山のペンキ絵はその映画撮影時に美術担当の撮影スタッフによって描かれた物だということです。
撮影当時の物が残っているというのがちょっと面白いですね。

曳舟湯
東京都墨田区京島1-7-10
営業時間 15:30〜24:00
定休日 7,17,27日

他にも先年話題になった「おくりびと」では山形県鶴岡の鶴乃湯がストーリー上重要なシーンに登場します(残念ながら写真が無くて紹介できませんが)。
同湯は映画公開直後の2009年に廃業してしまいましたが、建物は庄内映画村に移築保存されています。
また、I LOVE 湯! (2006年・主演朝香友紀)では中野区中野の天神湯が撮影に使われて登場しています。

映画には銭湯はあまり登場しづらい建物かもしれませんが、それでもちょこちょこ登場していたりするようです。
そんな風呂屋にみちくさのついでに訪れる機会があれば、「こんな所だったんだなぁ」といったような楽しみ方も出来るのではないかと思います。